著者
藤井 叙人 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2796-2806, 2009-12-15

市販テレビゲームにおいて,ゲーム内のコンピュータ(COM)の戦略に対してプレイヤの意識が高まりつつある.特に,世界的に人気のある遊☆戯☆王やポケットモンスターに代表されるビデオトレーディングカードゲーム(ビデオTCG)においては,プレイヤの要求に合わせたCOMの強さの設定が必要不可欠である.現在ではゲームプログラマによる戦略の作り込みによって実現されているが,これは非常に煩雑で時間がかかる.本研究では,強化学習法を用いて,戦略型ビデオTCGの戦略を自動学習する戦略学習機構について検討する.COMの最適行動学習だけでなく,TCG特有の要素である"最適なカード組合せ" や"魔法や罠などの特殊効果" に関しても学習機構を実装する.戦略学習機構の評価として,ルールベース戦略を相手とした計算機実験を実施する.最後に,戦略学習機構の汎用性と,残された課題,その解決策について検討する.Behavior and strategy of computers (COM) have recently attracted considerable attention with regards to video games, with the development of hardware and the spread of entertainment on the Internet. Previous studies have reported strategy-acquisition schemes for board games and fighting games. However, there have been few studies dealing with the scheme applicable for video Trading Card Games (video TCG). We present an automatic strategy-acquisition system for video TCGs. The proposed strategy-acquisition system uses a sampling technique, Action predictor, and State value function for obtaining rational strategy from many unobservable variables in a large state space. Computer simulations, where our agent played against a Rule-based agent, showed that a COM with the proposed strategy-acquisition system becomes stronger and more adaptable against an opponent's strategy.
著者
藤井 叙人 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2796-2806, 2009-12-15

市販テレビゲームにおいて,ゲーム内のコンピュータ(COM)の戦略に対してプレイヤの意識が高まりつつある.特に,世界的に人気のある遊☆戯☆王やポケットモンスターに代表されるビデオトレーディングカードゲーム(ビデオTCG)においては,プレイヤの要求に合わせたCOMの強さの設定が必要不可欠である.現在ではゲームプログラマによる戦略の作り込みによって実現されているが,これは非常に煩雑で時間がかかる.本研究では,強化学習法を用いて,戦略型ビデオTCGの戦略を自動学習する戦略学習機構について検討する.COMの最適行動学習だけでなく,TCG特有の要素である“最適なカード組合せ” や“魔法や罠などの特殊効果” に関しても学習機構を実装する.戦略学習機構の評価として,ルールベース戦略を相手とした計算機実験を実施する.最後に,戦略学習機構の汎用性と,残された課題,その解決策について検討する.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 古屋 晋一 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2782-2795, 2009-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時の前頭前野活動の低下が報告されてきた.しかし,これらはゲーム初中級者を対象としたものに限られ,熟達者の脳活動の活動様相および熟達にともなう変化については未解明の点が多い.本研究では2名の熟達者が「未熟達のゲーム」に訓練を重ねて熟達していく過程で脳活動にどのような変化が起こるのかを運動技能とあわせて検討を行った.その結果,当該熟達者の前頭前野活動は,学習初期に上昇し,学習中期には低下し,学習後期には再び上昇するというU-shapeを示した.
著者
藤井 叙人 橋田 光代 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.26, pp.9-16, 2008-03-07

市販テレビゲームにおいては,CPU の人間らしさというリアリティに,プレイヤの意識が高まりつつある.従来研究では,将棋や仮想空間における CPU の人間らしさの検討はなされているものの,市販テレビゲームのような戦略型ゲームにおいて,人間らしい行動や戦略を AI 技術を用いて実現した例はほとんどない.本稿では,CPU の「人間らしさ」の実現を目標とし,戦略型カードゲームの戦略を自動的に獲得する機構を提案した.戦略学習における困難性として,部分観測に起因した巨大な状態空間が挙げられるが,サンプリング,相手の行動予測,ゲームの特徴を考慮した次元圧縮により克服した.また,戦略学習機構によって得た戦略を,ルールベースの戦略と対戦させ,有効性を評価した.The computer (CPU) like a human has lately attracted considerable attention in the video game. The past studies report strategy-acquisition scheme for the board game such as shogi. However, there are few studies about these scheme applied in the video game. We aim at the acquisition of strategy like a human, we present an automatic strategy-acquisition scheme for strategic card game. Because of this card game includes many unobservable variables in a large state space, we suggest a sampling technique, action predictor, and value function. To evaluate our method, we carried out computer simulations where our agent played against a rule-based agent.
著者
伊藤 毅志 杵渕 哲彦 藤井 叙人
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.196-201, 2014-10-31

人間はゲームをプレイするときにミスを犯す.人間がプレイするゲームでは,ミスを犯すことが織り込み済みであると言える.本報告では,ゲームにおけるヒューマンエラー(ミス)を分類し,その認知的なメカニズムのモデルを提案し,将棋を題材に検証を試みる.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 長江 新平 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3859-3866, 2008-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が低下することが報告されてきた.テレビゲームに限らず,メディアインタラクションにおいては年齢,熟達度,さらには嗜好や没入の度合いに応じて,ヒトへの影響に違いが生じると考えるのが自然であろう.本研究ではテレビゲームにおける熟達度に焦点を当て,2つのジャンル(シューティング,リズムアクション)のゲームを実施している際のヒトの脳活動を熟達者,中級者,初心者の3種類の条件でfNIRS(機能的近赤外分光法)によって計測し,比較,検討した.その結果,熟達者においては,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が上昇するという関連研究とは異なる状況が観測された.またゲームタイトル,ジャンルを変えた場合の熟達者の脳活動を計測した結果,熟達したゲームにおける脳活動が最も上昇するという結果を得た.
著者
藤井 叙人 佐藤 祐一 若間 弘典 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1655-1664, 2014-07-15

ビデオゲームエージェント(ノンプレイヤキャラクタ:NPC)の振舞いの自動獲得において,「人間の熟達者に勝利する」という長年の目標を達成する日もそう遠くない.一方で,ユーザエクスペリエンスの向上策として,『人間らしい』NPCをどう構成するかが,ゲームAI領域の課題になりつつある.本研究では,人間らしい振舞いを表出するNPCを,開発者の経験に基づいて実現するのではなく,『人間の生物学的制約』を課した機械学習により,自動的に獲得することを目指す.人間の生物学的制約としては「身体的な制約:"ゆらぎ","遅れ","疲れ"」,「生き延びるために必要な欲求:"訓練と挑戦のバランス"」を定義する.人間の生物学的制約の導入対象として,アクションゲームの"Infinite Mario Bros."を採用し,本研究で獲得されたNPCが人間らしい振舞いを表出できているか検討する.最後に,獲得されたNPCの振舞いが人間らしいかどうかを主観評価実験により検証する.Designing the behavioral patterns of video game agents (Non Player Character: NPC) is a crucial aspect in developing video games. While various systems that have aimed at automatically acquiring behavioral patterns have been proposed and some have successfully obtained stronger patterns than human players, those patterns have looked mechanical. We propose the autonomous acquisition of video game agent behaviors, which emulate the behaviors of human players. Instead of implementing straightforward heuristics, the behaviors are acquired using techniques of reinforcement learning with Q-Learning, where biological constraints are imposed. Human-like behaviors that imply human cognitive processes were obtained by imposing sensory error, perceptual and motion delay, physical fatigue, and balancing between repetition and novelty as the biological constraints in computational simulations using "Infinite Mario Bros.". We evaluated human-like behavioral patterns through subjective assessments, and discuss the possibility of implementing the proposed system.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 古屋 晋一 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2782-2795, 2009-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時の前頭前野活動の低下が報告されてきた.しかし,これらはゲーム初中級者を対象としたものに限られ,熟達者の脳活動の活動様相および熟達にともなう変化については未解明の点が多い.本研究では2名の熟達者が「未熟達のゲーム」に訓練を重ねて熟達していく過程で脳活動にどのような変化が起こるのかを運動技能とあわせて検討を行った.その結果,当該熟達者の前頭前野活動は,学習初期に上昇し,学習中期には低下し,学習後期には再び上昇するというU-shapeを示した.Previous studies have focused on the relation between playing video games and brain activity. Most of these studies have reported that the prefrontal cortex shows decrease in its activity during playing video games. However, it seems reasonable to assume that the effect of playing games on the brain activity is dependent on the player's mastery level. As an initial step to address this issue, we examined brain activity at the prefrontal cortex while two top-level game players ("masters") were learning to master video games using functional near-infrared spectroscopy (fNIRS). Results demonstrated that their prefrontal activity during playing the game varied with the stage of learning; it increased at the early stage of learning, then decreased, and increased again at the later stage. These findings imply that prefrontal activity during playing the game might change in relation to learning stage and expertise, presumably which would provide implication for designing and programming a novel video game.
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 長江 新平 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3859-3866, 2008-12-15
被引用文献数
1

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が低下することが報告されてきた.テレビゲームに限らず,メディアインタラクションにおいては年齢,熟達度,さらには嗜好や没入の度合いに応じて,ヒトへの影響に違いが生じると考えるのが自然であろう.本研究ではテレビゲームにおける熟達度に焦点を当て,2つのジャンル(シューティング,リズムアクション)のゲームを実施している際のヒトの脳活動を熟達者,中級者,初心者の3種類の条件でfNIRS(機能的近赤外分光法)によって計測し,比較,検討した.その結果,熟達者においては,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が上昇するという関連研究とは異なる状況が観測された.またゲームタイトル,ジャンルを変えた場合の熟達者の脳活動を計測した結果,熟達したゲームにおける脳活動が最も上昇するという結果を得た.There are many studies that focused on the relation between playing video games and brain activities. Most of the studies have reported that the brain activity deactivates at the prefrontal cortex in playing video game. However, it is natural to regard that the influence on human varies with player's age, attitude or mastery level. In this paper, we focus on the mastery level of the video game. We measured the brain activity at the prefrontal cortex with fNIRS (functional Near-infrared Spectroscopy) while beginners, intermediate players, and masters playing video games. We observed activation of brain activity at the prefrontal cortex while masters were playing the game that they have mastered. The activation of the prefrontal cortex of the masters was higher when they played their mastered game than those when they played non-experienced games or games of non-mastered genre.
著者
藤井 叙人 佐藤 祐一 若間 弘典 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.1655-1664, 2014-07-15

ビデオゲームエージェント(ノンプレイヤキャラクタ:NPC)の振舞いの自動獲得において,「人間の熟達者に勝利する」という長年の目標を達成する日もそう遠くない.一方で,ユーザエクスペリエンスの向上策として,『人間らしい』NPCをどう構成するかが,ゲームAI領域の課題になりつつある.本研究では,人間らしい振舞いを表出するNPCを,開発者の経験に基づいて実現するのではなく,『人間の生物学的制約』を課した機械学習により,自動的に獲得することを目指す.人間の生物学的制約としては「身体的な制約:“ゆらぎ”,“遅れ”,“疲れ”」,「生き延びるために必要な欲求:“訓練と挑戦のバランス”」を定義する.人間の生物学的制約の導入対象として,アクションゲームの“Infinite Mario Bros.”を採用し,本研究で獲得されたNPCが人間らしい振舞いを表出できているか検討する.最後に,獲得されたNPCの振舞いが人間らしいかどうかを主観評価実験により検証する.
著者
藤井 叙人 佐藤 祐一 若間 弘典 風井 浩志 片寄 晴弘
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.26-33, 2013-09-27

概要:ビデオゲームエージェント(COM)の振る舞いのデザインにおいて,『強い』COM の自律的獲得は「熟達者に勝つ」という目標を達成しつつある.一方で,獲得されたCOM の振る舞いは,過度に最適化され機械的に感じるという課題が浮上している.この課題を解決するため,著者らは,『人間の行動原則』を課した強化学習や経路探索により,人間らしいCOM を自律的に構成するフレームワークについて提案してきた.しかし,それらのCOM が本当に人間らしいと解釈されるかどうかの検証が不十分であった.本論文では,自動獲得されたCOM の振る舞いについて主観評価実験を実施する.