著者
吉村 拓 八谷 光介 清本 節夫
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.239-245, 2015-02-15 (Released:2017-09-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

Restoration of perennial beds of large macroalgae, e.g. kelp or Sargassum bed, with year-round vegetation is usually difficult under high grazing or browsing pressure by herbivorous fishes. Some species of small-sized macroalgae that have not yet been recognized as target species for restoration are known to contribute to the diet and the shelter of juvenile lobsters and turban shells on their nursery grounds, and to abalone and sea urchins as primary foods. Therefore, using small macroalgae would be significant for bed restoration in de-vegetated area. The unintentional restoration of beds of small macroalgae that we observed near Nagasaki city suggests that their reconstruction would be easier and more realistic than restoring beds of large macroalgae. If small macroalgae were included as target species for algal bed construction, it would contribute to more flexible and realistic algal bed restoration.
著者
白藤 徳夫 和田 洋藏 西垣 友和 八谷 光介 竹野 功璽
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.203-209, 2008-06-20 (Released:2012-09-10)
参考文献数
24

外海域でのイワガキ養殖を可能とする「鋼製魚礁を用いた浮体式養殖法」を考案し,その有効性を実証するため,2003年 2 月に鋼製魚礁を府下沿岸の水深約10 m の外海域に設置し,長期養殖試験を実施した。養殖されたイワガキは,養殖 3 年後(生後満 4 年)には,平均殻高(±SD)が103.1±16.3 mm となり,約 6 割の個体が200 g 以上の出荷サイズに成長した。浮体式養殖法では,養殖施設全体が海面下 4 m 以深にあり,波浪の影響を受けにくいため,試験期間中に台風や冬季の波浪によって施設が破損することはなかった。また,付着生物の着生量が少なく,それらの除去作業は不要であった。さらに,養殖施設には20種の魚類の蝟集が観察され,魚礁としての機能も確認された。これらの結果より,浮体式養殖法の有効性が実証された。
著者
八谷 光介
出版者
(独)水産総合研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

近年,九州西岸域の藻場では,ホンダワラ類の優占種が温帯性から亜熱帯性の種へと交代している。本研究では,亜熱帯性ホンダワラ類の分布が拡大したメカニズムの解明を目的とした。亜熱帯性ホンダワラ類は温帯性ホンダワラ類に比べ,食害にあっても再生する能力が高いこと,光を巡る競争関係において不利なことが示唆された。亜熱帯性ホンダワラ類の分布が拡大したのは,温帯性種との競争に勝ったためではなく,食害などで温帯性種が生育できなくなったためであると考えられた。