著者
桐山 隆哉 藤井 明彦 吉村 拓 清本 節夫 四井 敏雄
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.319-323, 1999-09-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
6
被引用文献数
13

野母崎町地先で1998年9月に, クロメの葉状部が欠損し, 著しい場合は茎だけとなる現象が観察された。その後, この現象は野母崎町地先のみならず, 県下全域に及んでいることが分かった。発生状況や症状等から生理障害とは考えられなかった。一方, 本症状を起こした葉体には高い割合で縁辺に特徴ある弧状の痕跡が認められ, その形状は魚類による摂食痕に酷似していた。また, 葉体が欠損する症状は, 口之津等でオオバモクにみられた他は同一場所に生育しているホンダワラ類やツルアラメには認められなかった。
著者
吉村 拓馬
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本稿では,農作物の生育状況計測をドローンより上空から捉えた鳥瞰視点で行うことを目的とし,今後ドローンに搭載されるFPGAボードに物体検出モデルの1つであるSSDを導入した事例について報告する.FPGAの限られた計算資源で農作物の物体検出を実現するため,我々はSeparable Convolutionを採用し,さらに円形を検出枠とするCircle SSDを提案する.この結果,畳み込みニューラルネットワークのパラメータ数14770でF値0.67を記録し,非常に限られた計算資源でも畳み込みニューラルネットワークベースの物体検出モデルを採用した農作物の生育状況計測が実現できることを示す.
著者
吉村 拓 八谷 光介 清本 節夫
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.239-245, 2015-02-15 (Released:2017-09-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

Restoration of perennial beds of large macroalgae, e.g. kelp or Sargassum bed, with year-round vegetation is usually difficult under high grazing or browsing pressure by herbivorous fishes. Some species of small-sized macroalgae that have not yet been recognized as target species for restoration are known to contribute to the diet and the shelter of juvenile lobsters and turban shells on their nursery grounds, and to abalone and sea urchins as primary foods. Therefore, using small macroalgae would be significant for bed restoration in de-vegetated area. The unintentional restoration of beds of small macroalgae that we observed near Nagasaki city suggests that their reconstruction would be easier and more realistic than restoring beds of large macroalgae. If small macroalgae were included as target species for algal bed construction, it would contribute to more flexible and realistic algal bed restoration.
著者
吉村 拓馬 大西 紀子 惠良 美津子 松田 裕之 小橋川 晶子 広瀬 宏之 大六 一志
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.144-153, 2019 (Released:2020-12-03)
参考文献数
34

【目的】療育手帳制度は知的障害児者に対する主要な施策の一つだが,全国で統一された制度ではなく,各自治体が規定・運用している。従来,制度自体の不備や自治体間の判定基準の違いは指摘されてきたが,判定に際して児童相談所で実施される知能検査や発達検査に言及した研究は皆無である。判定に関わる検査の扱いについて,各自治体の現状の把握を目的に調査を行った。【方法】全国の児童相談所を対象に質問紙調査を行い,60自治体161カ所から回答を得た。【結果】集計の結果,認められる検査の規定,実際に用いられる検査の割合,検査結果の説明,他機関での検査結果の活用等について,自治体間で大きく異なることが明らかとなった。【考察】手帳判定の指標としての検査が自治体によってさまざまに扱われていることは,制度の公平性や知能検査・発達検査の本来の役割という点で憂慮すべきことである。制度自体の抜本的な見直しが必要であると考えられる。
著者
山田 秀秋 桐山 隆哉 吉村 拓
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.35-39, 2006-07-15 (Released:2017-09-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3
著者
一井 太郎 張 成年 望岡 典隆 酒井 光夫 吉村 拓 山田 陽巳 本多 仁
出版者
独立行政法人水産総合研究センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

胃内容物の検討にはそのホスト生物の種判別も重要であることからDNAを用いた重要水産動物稚仔の種同定についても継続した。イカ類の種判別に基づいた研究成果を利用し、系群及びイカ類の資源変動やイカ類を利用する魚類資源の動態についての研究を行った。また、まぐろ類については新規核遺伝子マーカーを用いた系統類縁関係についても検討した.イカ類幼生、ウナギ類幼生及びイセエビ類幼生について胃内容物ゲノム解析を継続するとともに、結果の取り纏めを行った。イカ類(アカイカ)とウナギ類(ウナギ、ハモ、アナゴ)については真菌類と微細真核生物に一致するDNAが多く検出されるとともに、ホスト自体の変異型も多く検出されたが、餌生物由来と考えられるDNA分子は検出できなかった。イセエビ科(Palinuridae)、セミエビ科(Scyllaridae)幼生からも同様な生物群とホスト変異型が検出されたが、尾索動物や刺胞動物といったゼラチナスプランクトンのDNAが共通して検出され、これらが餌生物として利用されていることが示された。イセエビ(Panulius japonicus)の近縁種であるカノコイセエビ(Panulirus longipes bispinosus)と大西洋の種(Panulirus echinatus)は秋季に採集された標本であり、これらのゼラチナスプランクトンが検出されたが、春季に採集されたイセエビからはこれらの生物が検出されず、硬骨魚類のDNAが検出された。この違いが季節や海域、あるいは種によるものかどうかは今後の検討課題である。