著者
内川 隆一 市川 真衣 河野 真友 坂井 美穂 吉村 誠人 大山 浩貴 鎌北 直実
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.7, pp.77-86, 2014-02

千葉県銚子市および茨城県神栖市内におけるペット飼養の実態並びに飼養者の意識を知る目的で平成23および24年の6月から7月にかけて千葉県銚子市内および茨城県神栖市内の学校に通う小学校5年生、中学校2年生、高校2年生を対象として「ヒトとペットに関するアンケート」を実施した。本報ではペットの飼養状況を中心にその結果を報告した。両市の80%以上の学童・生徒は動物に対して好意を抱いており、その40%が犬猫を、30%がその他の動物をペットとして飼養していた。また、現在ペットを飼っていない人もその半数以上がペットを飼いたいと思っていた。動物は嫌いだと答えた人の多くは動物に対して恐怖心を持っており、過去の動物による嫌な経験が一つの原因となっている可能性が指摘された。しかし、犬猫の健康に対する基本的理解度は低く、感染症や予防接種に対しても関心があまり高くないことが明らかとなった。また、現在犬猫を飼養している人においても、不妊・去勢手術に対する関心が低く、手術が行われたのは1/3程度であった。動物アレルギーが強く疑われる学童・生徒が少なからず存在し、息苦しさ、吐き気といった重い症状が現れた人も含まれていた。
著者
内川 隆一 手越 達也
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

これまでの研究からNippostrongylus barisiliensis成虫由来分泌排泄(Nb-ES)抗原中には多くの生理活性分子が存在することが示されている。我々の見出したNb-ES抗原中に存在するラットT細胞に対するIFN-γ産生抑制活性もそのひとつであり、本研究ではその活性機構を解析することを目的として実施された。本研究では、まずこのNb-ES抗原が他種動物のT細胞に対してもIFN-γ産生の抑制活性を持つかどうかを検討し、ES抗原およびその部分精製分画はマウスT細胞に対してもIFN-γ産生抑制活性を示すことが確認された。。次にブタ回虫(As)抗原を用いて他種線虫由来抗原中にも同様の抑制活性が認められるかどうかを検討した。その結果、As体腔液中には明らかなIFN-γ産生抑制活性は認められなかったが、As-ES抗原のNb-ES抗原と同じ精製分画にラットおよびマウスT細胞に対するIFN-γ産生抑制活性が認められた。これら結果は、宿主T細胞に対する線虫由来抗原によるIFN-γ産生抑制が幅広く線虫と宿主間に存在する現象である可能性を示している。そこで、ES抗原中に含まれる活性分子の特定を進め、段階的イオン強度勾配による陰イオン交換クロマトグラフィーおよび自作の抗ES抗原ポリクローナルウサギIgG抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーなどの組み合わせにより、ES抗原に比してほぼ20倍の比活性を持つ分画の精製に至った。その結果、活性分子は推定分子量が50kD〜100kDであること、活性は56℃30分の熱処理に対して抵抗性であるが、95℃30分の熱処理により部分的に失活すること、過ヨウ素酸処理により完全に失活することを明らかとした。