著者
内海 哲史
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.68-79, 2023 (Released:2023-06-01)
参考文献数
61

最近の5 年間で,インターネットにおけるふくそう(輻輳)制御アルゴリズムに関する論文数がV字回復してきている.本稿では,そもそもなぜ,輻輳制御アルゴリズムが必要なのかという観点から,輻輳崩壊,Bufferbloat といったインターネットにおける輻輳問題について述べる.また,インターネット史上において,代表的な輻輳制御アルゴリズムを紹介し,輻輳制御アルゴリズムの研究領域と研究手法について述べる.更に,輻輳制御アルゴリズムの最近の研究動向と今後の展望について述べる.
著者
荻野 雅史 岡田 章吾 内海 哲史
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.32-39, 2021-11-18

インターネットアプリケーションの多様化に伴い,端末間通信は高スループット,低遅延がますます求められるようになってきた.一方,ネットワーク機器に搭載されるバッファメモリのサイズの増加と,ロスベース輻輳制御機構の利用に起因し,バッファリング遅延が増大する現象である Bufferbloat が問題視されている.バッファリング遅延を抑える輻輳制御機構として,BBR が Google 社より発表され,のちに,MIT コンピュータサイエンス・人工知能研究所により Copa が発表された.本稿では,TCP 輻輳制御機構としてもっともシェアが高い,ロスベース輻輳制御機構である CUBIC と,バッファリング遅延を抑える最新の輻輳制御機構である Copa との競合時,及び,バッファリング遅延を抑える輻輳制御機構同士である Copa と BBR の競合時における性能評価を行う.
著者
内海哲史 SalahuddinMuhammadSalimZabir 加藤靖
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.9, pp.1-7, 2012-12-07

2012 年 10 月 PC 遠隔操作事件が発覚し,それに伴う冤罪も明らかになった.今回のような犯罪の場合でも,犯行者のホストの真の IP アドレスが分かれば,真犯人を特定できる可能性が高い.本稿では,(1) コネクション開始時, TCP のように 3 ウェイ・ハンドシェーキングを必ず行うこと, (2) OS のカーネルは (1) をチェックすること, (3) 受け取ったデータパケットに対して必ず確認応答を返すこと, (4) OS のカーネルは (3) をチェックすること, (5) 身に覚えのない確認応答を受け取ったホストは警告パケットを必ず返すこと,を提案し, IP レベルでのなりすましのできない安全なインターネットの実現を目指す.