著者
内藤 朝雄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.165-175, 2021-02-15

抄録 学校のいじめをモデル現象として,1) 群生秩序:集合的活性化輪郭が畏怖すべき規範の準拠点となる利害権力政治の秩序,2) 秩序の生態学モデル:複数の秩序が互いを環境として関係し合い位置付けあう生態学的な説明モデル,3) 人を生徒らしい生徒に変える自己裂開を伴う変換の連鎖としての学校らしい学校のコスモロジー,4) 自己裂開規範:自己を自発性の核心部分から裂け開いてしまうかのようなふるまいを倫理秩序の中心として強制し違背を許さない規範,についての理論を提示する。次にこれをもとに,構成要素を個体水準よりもミクロな内的メカニズムに設定し,それが個体水準を越えて,直接複数個体水準でまとまる現象を含めて説明するのに適した,IPS(inter-intra-personal-spiral)理論枠組とその可能性を展望する。ネットいじめは,1) 閉鎖空間の人間関係にネットが加わってブースター効果を及ぼすタイプと,2) 見ず知らずの被害者を不特定多数で攻撃するタイプに分ける必要がある。

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著者
内藤朝雄
出版者
明治大学文学部心理社会学科
雑誌
明治大学心理社会学研究
巻号頁・発行日
vol.3, pp.76-81, 2008-03-26