- 著者
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荒田 玲子
渡辺 敦子
大貫 愛美
金谷 由希
柳生 純代
冨岡 広平
吉田 惠子
- 出版者
- 日本調理科学会
- 雑誌
- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.23, pp.88, 2011
【〈B〉目的〈/B〉】平成21年12月に日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学:行事食」というテーマで行われた茨城県の調査をまとめ、茨城県の特徴を明らかにすることを目的とする。年代別の検討を行うために、回答者を10~20歳代、30~50歳代、60歳以上の3区分にわけ検討した。まず、年中行事の認知度、経験を調べた。調査項目のうち、年中行事の12項目を取り上げ、特に正月料理について詳細に検討した。〈BR〉【〈B〉方法〈/B〉】茨城県の調査員は3名であり、県北、県央、県南に所属する。しかし各大学の学生はこの3区分に分けることは不可能であるので、3地域を合わせて集計し検討した。10~20歳代は241名、30~50歳代は154名、60歳以上は70名であった。質問項目は、その行事の認知、経験、その行事で食べるものの喫食経験、喫食状況、調理状況を中心に解析した。〈BR〉【〈B〉結果と考察〈/B〉】年中行事の認知度、経験について検討したところ、「重陽・菊の節句」が各年代ともに低かった。正月料理の屠蘇は20歳代の80%が、30~50歳代の約半数が「飲んだことがない」という結果であった。黒豆、きんとんは若い年代は「時々食べる」という人の割合が高かった。口取りである「黒豆、数の子、きんとん、伊達巻」については、30歳代から50歳代は購入する人の割合が高かった。「田作り、昆布巻き」は30歳代以上でも購入する人数が多かったが、「煮しめ、なます」は家庭で作るという人が多かった。魚料理、肉料理については若い年代の回答率が高かった。我が国の最大の行事食である「正月料理」も若い年代では喫食経験が低いものも多くあり、年代が高くても、「家庭で作る」より「購入する」ものがあることが明らかとなった。