著者
清井 起鵬 前川 嘉洋 國武 裕子 田中 敬子
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.214-217, 2000-04-01
参考文献数
7

28歳の中国人の女性。生食を好み,中国&middot;日本において蛇&middot;蛙&middot;スッポン&middot;蟹&middot;魚等をよく生で食していた。1998年1月頃より右下腹部に痛みを伴う皮下腫瘤が出現,同年4月7日当院外科にて黒色虫体を摘出した。その後クエン酸ジエチルカルバマジン(商品名スパトニン<sup>&reg;</sup>)を投与するも軽快せず,4月10日当科紹介となった。臨床症状&middot;臨床経過&middot;血清反応より顎口虫症と診断され,肺吸虫症も合併していることが判明し,6月17日よりプラジカンテル(商品名ビルトリシド<sup>&reg;</sup>)の投与により症状は軽快した。
著者
古木 春美 水足 久美子 前川 嘉洋 野上 玲子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.7, pp.847, 1992 (Released:2014-08-12)

既往歴として肝硬変,糖尿病,及びアルコール依存症を有する,55歳男子の両下腿に生じた,Aeromonas sobriaによる壊死性筋膜炎の1例を経験した.発症前に生食した魚介類からの経口感染の可能性が考えられた.
著者
三角 修子 前川 嘉洋 三宅 大我 横山 眞爲子
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.471-474, 2005-10-01
被引用文献数
2

症例は58歳,女性。1992年から慢性腎不全で人工透析を導入された。2003年1月頃から左上腕,右大腿,下腿に疼痛を伴う黒色壊死が突如出現した。2003年5月14日当科初診時,黒色壊死部周囲に暗赤色の皮膚病変を認めた。皮膚生検にて,表皮の変性,壊死と皮下組織の小中血管壁への石灰沈着の所見を認め,calciphylaxisと診断した。低カルシウム血症はなく,副甲状腺ホルモン値も正常値であったが高リン血症を認めていた。抗生剤の点滴と軟膏処置による保存的加療を施行した。当初,感染コントロールは困難で皮膚病変は拡大する一方であったが,塩酸セベラマーの内服を開始したところ,皮膚病変の進行は見られなくなり,潰瘍も縮小,経過は良好であるように思われた。しかし10月21日,嘔吐後に突然心肺停止状態となり,同日永眠された。