著者
當瀬 規嗣 小林 武志 前田 佐知子 一瀬 信敏 佐藤 達也
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.61-64, 2015 (Released:2015-08-03)
参考文献数
7

心筋細胞の電気生理学的特性は,発生期の心臓の形態学的な変化に伴って大きく変容する.発生初期のラット胚では,大部分の細胞で自動能が認められる.膜電位ではペースメーカー電位が確認でき,活動電位全体の形状は,成体の洞房結節細胞のそれと同様である.その後,作業心筋の静止膜電位は過分極し,ペースメーカー電位は失われ,自動能は刺激伝導系の細胞に限定される.この過分極は,内向き整流性K+チャネルが増加してゆくことによって引き起こされる.さらに,活動電位持続時間は誕生後に伴い急速に短縮するが,これは一過性外向きチャネルの増加が原因である.このように,胎生期の電気生理学的特性の変化は,細胞膜上のイオンチャネルの遺伝子発現と特性の変化によって引き起こされる.早期のラット胚で心拍動は観察されないが,受精後10日目に心拍動が突然開始する.この拍動開始には,L型Ca2+チャネル(Cav1.3)の突然の遺伝子発現の増大が大きく関係していると考えられる.
著者
佐野 浩彬 三浦 伸也 前田 佐知子 池田 千春 千葉 洋平 臼田 裕一郎
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.203-207, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
20

災害発生時には様々な機関からインターネットを通じて数多くの災害・防災情報が発信されるとともに、時々刻々とその情報が変化し更新されていく。そのため、発信された災害・防災情報にはWebサイト上での記載がなくなり、情報そのもの自体が消失するなど、タイミングを逃すと取得できないものが出てくる。こうした災害・防災情報のデジタルアーカイブを行うことは、災害の動向を時系列で把握する上で重要である。本研究では2019年に発生した風水害を対象として、インターネット上の災害・防災情報の網羅的収集に関する実践事例を紹介し、そこで浮かび上がった課題を述べる。
著者
三浦 伸也 千葉 洋平 佐野 浩彬 前田 佐知子 池田 千春 田中 亜紀子 高橋 美佐 半田 信之 臼田 裕一郎
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s23-s26, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
2

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)下では密閉空間・密集場所・密接場面の3つの密を避けることが推奨されている。発表者らは出水期や風水害等に向けて、都道府県や市区町村といった自治体が COVID-19下において、内閣府防災等が提示した通達をどのように活かし、自然災害への備えを行っているかを網羅的かつ俯瞰的に把握するため、日本全国の都道府県および自治体のWebサイトを検索し、COVID-19下における「避難」もしくは「避難所」等に関する情報(以下、「COVID-19×災害時避難に関する情報」)の発信を行っている事例を網羅的に収集した。この情報収集の過程で、ツイッター、ネットニュース、新聞などのメディアが情報収集をどのように促進し、情報を「集める」から情報が「集まる」兆しを感じさせたのか。情報収集、ひいてはアーカイブ構築と本来の目的以外のメディアでの情報発信などをどのように捉え、メディアと協働し、アーカイブを構築していくのが望ましいのかについて議論したい。