著者
劉 庭秀 大村 道明 吉村 慶一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.93-93, 2007

本研究では,韓国の政策決定過程の特徴と利害関係者間のパートナーシップに注目し、韓国の自動車リサイクル法が成立するまでの議論を環境部、環境政策評価研究院、廃車協会、自動車市民連合、環境資源公社、現代・起亜自動車などのヒアリング調査を通して整理分析し、各主体に関係、今後の課題について基礎的な考察を行った。
著者
齋藤 優子 劉 庭秀
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.25-28, 2013

環境省は,2014年4月から小型家電リサイクル制度を本格施行する方針を打ち出している.本稿では,2011年8月から環境省社会実験対象となっている山形県酒田市において,筆者らが実施した小型家電排出状況実態調査の結果をまとめる.さらに,今後日本で導入される小型家電リサイクル制度の妥当性について考察する.
著者
劉 庭秀
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.87-95, 2010
被引用文献数
1

近年,世界各国では拡大生産者責任を原則にリサイクル制度を整備している。たとえば,日本は,2005年に自動車リサイクル法を施行し,韓国でも2009年から生産者責任を強く求める自動車リサイクル制度を導入した。特に韓国では逆有償現象が起これば,自動車メーカーが使用済み自動車の無償回収を行うこととなっており,エアバッグ,フロンガス,ASR (Automobile Shredder Residue) がリサイクル対象である日本に比べて,非常に厳しいシステムである。しかしながら,インフラ整備の遅れと既存のリサイクル現場における情報管理の困難により,スムーズに動き出しているとはいえない。<br>広い意味で,日本と韓国の自動車リサイクル制度は,アジア諸国に様々な影響を与えた。たとえば,中国は,2010年に日本と韓国の制度を参考し,独自の自動車リサイクル制度を構築する予定である。既存の「自動車部品回復に関する技術的政策」は,自動車メーカー,解体業者,再資源化業者の活動を促すことが難しく,円滑に運用されていない状況である。また,中国と日本の間には,環境意識,自動車設計,廃棄物の減量,中古部品,再製造およびリサイクル技術のレベルに大きな差がある。さらに,地域間の様々な格差を埋めるためには,これらを考慮した政策づくりとインセンティブを与えることによって,使用済み自動車の再資源化を誘導し,促していくことが重要である。使用済み自動車の問題はアジアの差し迫った問題であり,アジアだけではなく,グローバルな視点で,パートナーシップと協力体制を構築していく必要がある。