著者
劉 郷英
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.150-166, 2019 (Released:2020-06-05)
参考文献数
41

本稿では,筆者による近年の研究と調査を踏まえて,乳幼児教育・保育システム(システムの変化,幼児園の教育・保育活動),保育者養成改革(養成システム,養成課程開発),教育・保育の質向上の取り組み(教育・保育研究活動による質向上の歩み,新しい教育実践の創出)に焦点を当てて,1978 年~ 2018年までの40 年間の改革の歩みを振り返り,中国における乳幼児教育・保育改革の全体像を明らかにした。その上に,今後の課題としては,3 歳以上の幼児の就学前教育の普及,保育者養成の質と量の保障,3 歳未満児の保育・教育システム作りと3 歳未満児担任保育者の養成が指摘された。
著者
金田 利子 鐙屋 真理子 伊藤 葉子 斎藤 政子 宍戸 健夫 水野 恵子 劉 郷英 一見 真理子 伊藤 葉子 齊籐 政子 宍戸 健夫 水野 恵子 劉 郷英 劉 蓮蘭
出版者
白梅学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

乳幼児保育における母性意識の国際比較を、日・中・米・スウェーデンを対象に行ったものである。母性意識としては、政策が保育所拡大方向に変わっても日本においてはなお浸透している「3歳児神話」を中心に、ジェンダー意識、育児意識、0歳児集団保育意識においた。方法は、意識を捉えるため評定尺度による質問紙調査と、その意味を深めるためのフォ-カスインタビューの二つを重ね合わせて用いた。その結果、国間の有意差は見られたものの、4ヵ国を貫く因子は見いだせず、国による傾向というよりは、事項毎に異なること、また、質問紙への答えが同じでもその内実は全く異なり、文化・民族・制度との関わりの大きさが窺えた。