著者
松浦 正朗 城戸 寛史 山本 勝己 加倉 加恵
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

顔面欠損を有する患者にどのような他者が見て自然と感じるかを調べるために8種類のエピテーゼの装着を想定した画像をコンピュータで制作しアンケート調査を行った。その結果、静止したエピテーゼよりも健側と同調してまばたきするエピテーゼがより自然に感じることが解明された。次いで実際に健側と同調してまばたきをする装置を試作した。1つは赤外線照射でまばたきを探知する方法、もう1つはまばたきにより細いワイヤーを振動させ、それを電流に変換する方法である。両方法とも正確にまばたきを探知でき、小型の動力部も製作できた。今後、臨床への応用が可能な段階にすることができた。
著者
吉永 修 加倉 加恵 石原 貴美恵 柳 束 谷口 祐介 城戸 寬史
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.40-48, 2018-03-31 (Released:2018-04-20)
参考文献数
22

本研究の目的は,荷重下のジルコニアインプラント周囲骨組織の反応を動物モデルで評価することである.φ3.0×15.5mmの1ピースタイプのスレッドタイプジルコニア製実験用インプラントを製作した.表面性状は機械加工タイプとレーザー加工タイプの2種類とした.2頭のビーグル犬の下顎両側臼歯を抜歯し,6カ月後に右側に機械加工タイプ3本,左側にレーザー加工タイプの実験用インプラントをそれぞれ3本埋入した.埋入直後に金属製保護床を装着し,3カ月間インプラント体に負荷を与えないようにした.埋入から3カ月後,1頭から無負荷モデルとして試料を採取した.別の1頭のジルコニアインプラント上に金属製の上部構造を装着した.また,対合歯に咬合プレートを装着し,インプラント上部構造と咬合接触を与えた.12カ月後,咬合負荷モデルとして試料を採取した.研磨標本で骨接触率(BIC)とインプラントのスレッド内の骨占有率(BA)を測定した.また,荷重前後のエックス線写真でインプラント辺縁骨を評価した.すべての組織標本でインプラント体表面と骨組織の直接接触が観察された.組織標本とエックス線写真において辺縁骨の吸収像はなかった.2種の表面性状の間にBICとBAに差は認められなかった.荷重後のBICとBAは荷重前と比較して,機械加工タイプの皮質骨部を除いて有意に高くなった.以上の結果から,ジルコニアはインプラント体材料として有用性が高いことが示唆された.