著者
磯辺 篤彦 郭 新宇 中村 啓彦 広瀬 直毅 石坂 丞二 木田 新一郎 加古 真一郎 中村 知裕 万田 敦昌
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

日本南岸における黒潮流路変動が、南岸低気圧の経路に揺らぎを与えることを発見した。冬季東シナ海における浅海部の海面冷却は、これに連動した海面気圧と風系の変化を通して、負のフィードバック機構を持つことを示した。瀬戸内海での海面水温分布によって海陸風が変調すること、大潮・小潮周期の海面水温変化に応じて、海上風も変動することを発見した。以上、縁辺海や沿岸規模の海洋過程は大気過程に影響を与え、場合によって相互作用が成立することを示した。また、植物プランクトンの春季ブルームが海面水温を変化させ、これが低気圧の発達に影響を及ぼすといった、大気ー海洋ー生態系の結合過程を提案した。