- 著者
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木谷 幹一
加茂 祐介
- 出版者
- 地学団体研究会
- 雑誌
- 地球科学 (ISSN:03666611)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.3, pp.99-109, 2010-05-25 (Released:2017-05-16)
京都盆地周辺の第四系層序は海成粘土層やその上下に挟まれる火山灰を指標として組み立てられてきた.京都盆地南部の更新統は,主に大阪層群と更新世段丘堆積層からなり,海成粘土層は大阪層群のMa0層からMa9層が確認されている.しかし京都盆地南部の久御山町で掘削されたKD-0コアに関する既往の研究では,大阪層群のMa3層,Ma5層,Ma6層が確認されたにとどまった.これに疑問を抱き,再度コア観察を行い,各接分析(石膏および硫黄結晶の析出・水溶液の硫化物臭・渦鞭毛藻・有孔虫・火山灰・花粉)を行った.その結果大阪層群のMa3層,Ma5層,Ma6層に加えて,Ma0層,Ma0.5層,Ma1層,Ma1.3層,Ma2層,Ma4層,Ma7層,Ma8層,Ma9層,Ma10層と上部更新統のMa12層も分布することが確認された.また最終間氷期の海進が京都盆地南部まで及んでいたことが確認された.