著者
伊勢 雄也 萩原 研 齋藤 節生 本城 和義 宋 静香 加藤 あゆみ 片山 志郎 西澤 健司 平野 公晟 吉行 俊郎 木山 輝郎 三橋 恭子 亀井 美和子 白神 誠
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.124, no.11, pp.815-824, 2004-11-01
被引用文献数
1 1

米国では1983年よりMedicareの入院医療費の支払い方法として,医療費の診断群別定額支払い制度(Diagnosis Related Group/Prospective Payment System;DRG/PPS)が導入されているが,わが国でも平成15年4月より診断群分類(Diagnosis Procedure Combination;DPC)に基づく包括支払い制度が大学病院,国立がんセンター,国立循環器病センターなどの特定機能病院計82施設での入院医療において開始された.その結果,入院患者の在院期間の短縮と入院費用の削減並びに患者満足度の向上などを目的として,クリニカルパス(Clinical Pathway;CP)が日本の医療においてさらに注目されるようになった.日本医科大学付属病院(以下「当院」という)では1998年に「CP研究会」が設立され,患者ケアを医療スタッフがチームとなって行うシステムの構築を検討してきた.1)薬剤部では,その中でも胃癌の切除術患者CPに積極的に携わり,同CPに薬剤管理指導業務を導入することによる有用性並びにその費用対効果についての検討を行い,数多くの知見を得ている.