著者
"香西 はな 矢野 博己 加藤 保子"
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.11-19, 2006
被引用文献数
1

"現在,小麦はアレルギーを引き起こす三大食品の一つとされており,更に食物依存性運動誘発アナフィラキシーの最多原因食品としても注目されている.これまで,小麦アレルギーとしては,Baker's Asthmaやセリアック病などがよく知られており,原因タンパク質としてはそれぞれ塩溶性タンパク質,グリアジンであるとの報告が多い.近年問題となっている小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)に関しては,ω-グリアジンであると報告されている.WDEIAの発症メカニズム解明のため,我々は,B10.Aマウスと卵白リゾチーム(Ly)を用いて,モデル実験動物系を確立した.各小麦タンパク質で感作したB10.Aマウスのアレルゲン投与後の疲労困憊運動時間は非感作群と比較して短く,更に,グリアジン次いでグルテニン群の小腸粘膜上皮組織の損傷は激しいものであった.マウスを用いて検討したWDEIAの原因タンパク質はグリアジン次いでグルテニンである可能性が高く,これらのタンパク質が小腸粘膜上皮組織を著しく損傷させ,体内へのアレルゲンの吸収も促進,更に,運動がこの損傷を増悪させることが考えられた.このような小腸粘膜上皮組織の損傷は,セリアック病でも観察され,セリアック病では,グリアジンの消化生成物であるペプチドがかなりの毒性ペプチドであることが報告されてきており,このようなグリアジンタンパク質の特性とWDEIAとの関係も示唆されるものであった.本報告では,小麦タンパク質とWDEIAに関して,これまで進められてきている研究の流れと,原因小麦タンパク質に関する情報を解説した."
著者
三宅 妙子 加藤 保子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.411-419, 1997

1.岡山県下にある3高齢者施設および上海1高齢者施設, それぞれの1週間の献立から使用食品数を6つの基礎食品群に分類した.また, 調理形態を比較した.2.どの施設でも1日の平均使用食品数は, 27から30であって, 各地設問でほとんど差は認められなかった.1日の献立で比較すると, 日本の施設では夕食に, 上海では昼食に最も多くの料理が提供された.日本の施設では1週間ほぼ均等な献立が実施されていたが, 上海の施設では金曜日は品数が少なく, 週末にはかなり多いものであった.3.2群に属する乳製品などの食材は, 日本では毎日使用されていたが, 上海では1週間のうち1回のみの使用であった.4.日本の施設給食の代表的な調理形態は煮物, 焼き物, 和え物で, これらの出現頻度は約70%弱であった.上海の施設給食では炒め物が圧倒的に多く, さらに炒め煮, 揚げ物を加2ると.油タ使った調理形態の出現頻度は74%であった.