- 著者
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"大亀 衛/加藤 泰治/槇原 義典"
"オオカメ マモル/カトウ ヤスハル/マキハラ ヨシノリ"
"Ohkame Mamoru/Katoh Yasuharu/Makihara Yosinori"
- 雑誌
- 岡山理科大学紀要. A, 自然科学
- 巻号頁・発行日
- vol.26, pp.41-54, 1990
"かえでの種子は最初不規則な落下運動をするが, まもなくそれは自転運動と公転運動とにじり運動をあわせた規則性のある落下運動に変わる。この規則運動をしながら落下する種子の運動方程式がつくられ, 数値解析が行なわれた。規則運動を始めたところの高さや羽根の長さを種の長さで割った比が大きいほど種子の滞空時間は大きく, 羽根の長さの方向の傾きや種の厚さと密度の積や羽根の厚さと密度の積が大きいほどそれは小さくなっている。種子の自転の角速度の大きさがπ1/sあたりより大きいと, 種子の滞空時間はこれの影響を受けない。さまざまの滞空時間で落下するこれらの種子はいろいろな速さの風に運ばれて広く飛散する。これは自然淘汰にうちかってかえでが繁殖できた理由の一つであろう。""The equations of motion for a maple seed are made, and the flight duration of maple seeds is investigated by means of numerical calculation. The flight duration is generally different from each other. Therefore, the seeds are carried down extensively on the wind. This is one of the reasons why maples grow well in spite of natural selection."