著者
小嶋 雅代 酒々井 眞澄 鈴木 匡 坡下 真大 早野 順一郎 村上 里奈 山本 美由紀 浅井 清文 浅井 大策 石川 大貴 木村 侑樹 明石 惠子 赤津 裕康 大原 弘隆 川出 義浩 木村 和哲
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.221-235, 2019

<p>背景 : 医療系学生による高齢者家庭訪問実習の初年度の教育効果の検証.</p><p>方法 : 実習に参加した医学部3年生5名, 高齢者5名によるフォーカスグループインタビューを基に自記式調査用紙を作成し, 医学部3年生, 高齢者の全参加者に調査協力を依頼した.</p><p>結果 : 学生84人と高齢者30人が協力に同意した. 学生の74%が「高齢者の暮らしぶりが分かった」と回答し, 高齢者の57%が「良い変化があった」と回答した. 93%の高齢者が本実習に満足だったのに対し, 学生の肯定的な意見は半数であった.</p><p>考察 : 学生が本実習に積極的に取り組むためには, 各自が明確な訪問への目的意識を持てるよう, 入念な事前準備の必要性が示された.</p>
著者
岡本 秀貴 川口 洋平 永谷 祐子 浅井 清文
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

再生医療の分野では皮膚や骨、軟骨、網膜など比較的単純な組織では臨床応用が盛んになされている。爪や毛髪などの組織は一見単純な器官に思えるが、産生された硬性ケラチンを複雑な層状に重ねてさらに緻密な硬組織と成してそれを秩序的に一定方向に伸長させていくという非常に複雑な働きがある。本研究によって爪母細胞の元となる再生能力の高い爪幹細胞を発見できれば爪再生の研究は飛躍的に発展すると予想される。本研究期間内に1)爪組織の器官培養法の確立2)爪幹細胞の存在部位同定とその培養3)組織工学的手法を応用しての爪再生を明らかにする
著者
赤津 裕康 土井 愛美 正木 克由規 田中 創始 兼松 孝好 小嶋 雅代 明石 惠子 岩田 彰 鈴木 匡 木村 和哲 浅井 清文 間辺 利江 大原 隆弘 竹尾 淳 川出 義浩 木村 雄子 近藤 麻央 伊藤 禎芳 長野 弘季 野崎 耀志郎
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日老医誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.358-366, 2018
被引用文献数
2

<p><b>目的:</b>今後の超高齢社会を乗り切っていく重要な1つの方策は意識改革である.その要になるのはヘルスケア・メディケーションを行いつつ自らの最終ゴールを見つめる,即ちアドバンスケアプランニング(Advance care planning:以下ACPと略す)と事前指示(Advance directive:以下Adと略す)を行うことである.また,パーソナルヘルスレコード(Personal Health Record:以下PHRと略す)の匿名開示,病理解剖はあまり言及されていない.しかし,死後のことも事前に考え,意向を聞いておく環境整備も必要である.この死後対応を含めたAd/ACPの啓発・浸透が国民の意識改革にもなっていく.本研究は地域住民の意識をアンケート形式で把握し,講演(啓発活動)での変容を捉えることを目的とした.<b>方法:</b>高齢化の進む大都市旧ニュータウン住民へAd/ACP啓発講演を行い,その前後での意識調査を行った.意識調査はアンケートでの自記式4択を主体に末期認知症になった状況を主に想定した6大項目,38問を設けた.<b>結果:</b>参加者は35名(男7名,女22名)で40歳代~80代以上で70歳代が25名であった.途中退出者が数名発生したため,前後変容に関しては,統計的解析は不可能であったが意識変容の傾向は得られた.特に死後の対応(献体)に関しては有意差をもった意識変化を認めた.また蘇生・延命の希望者数と救急搬送希望者数に乖離を認めた.<b>結論:</b>医療行為への希望・不安はその情報量に加え,置かれた状況でも変容する.今回の意識調査で,死後の社会貢献意識に講演前後で変化が観られた.また蘇生・延命と救急搬送は別物と捉える地域住民が多い点も明らかとなった.今後のAd/ACPの普及,意識改革では,この点を念頭においた地道な活動と医療・介護者,地域の方々,家族,本人との連携が必要である.</p>
著者
浅井 清文 加藤 泰治
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1、ヒトGMFB、GMFGの特異的抗体の作製。大腸菌で発現させたヒトリコンビナントGMFB、GMFGを、ウサギに免疫しポリクロナール抗体を得た。さらに、GMFB、GMFGは相同性が高いため、通常のポリクローナル抗体では互いに交差反応を示した。そこでGMFB、GMFGを固定化したアフィニティーカラムを利用し特異的に反応する抗体だけを精製した。ウエスタンブロットで検討したところ、ヒトGMFB、GMFGに対しては、特異的に反応したが、ラットについては、反応しなかった。2、ラットGMFB、GMFGのcDNAのクローニング。ラットGMFB cDNAについては、すでに報告されている塩基配列をもとにRT-PCR法を用いてタンパク質をコードしている部分のみクローニングした。ラットGMFG cDNAについては、ヒトGMFG cDNAをプローブとして、ラットBrain cDNA Libraryをスクリーニング、クローニングした。ラットGMFG cDNAは、ヒトと同様142アミノ酸をコードしており、アミノ酸レベルで91.5%の相同性があった。3、ラットGMFB,GMFGリコンビナント蛋白の発現。ラットGMFB、GMFG cDNAを発現ベクターpAED4に組み込み、大腸菌BL21(DE3)に導入した。発現したタンパク質は、カラムクロマトグラフィーにて精製した。4、ラットGMFB、GMFGの特異的抗体の作製。大腸菌で発現させたラットリコンビナントGMFB,GMFGを、ウサギに免疫しポクローナル抗体を得た。ヒトの時と同様にして交差反応を示す抗体成分をアフィニティーカラムを利用し除去し、特異的に反応する抗体だけを精製した。ウエスタンブロットで検討したところ、ラットGMFB、GMFGに対して特異的に反応した。5、ユーザンブロット、ウェスタンブロットによる検討。ラット臓器におけるGMFB、GMFGの発現を検討するためにノーザンブロットおよびウェスタンブロットを行った。ノーザンブロットは、市販のMultiple Choice Tissue Northern Blotを購入し検討した。GMFBは、脳に特に多く、他の臓器にも一様に発現していた。一方、GMFGは、胸腺、脾臓、睾丸に多く発現していた。ウェスタンブロットには、妊娠ラットより、大脳皮質、脾臓、胸腺を採取し、蛋白を抽出し使用した。GMFGは、胸腺、脾臓に発現しており、ノーザンブロットの結果とほぼ一致した。