著者
石原 恵子 吉田 倫幸 岩城 達也 小森 政嗣 木野 和代 加藤 荘志 内田 照久 出木原 裕順 石原 恵子
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

ヒトがモノに重ねるイメージと、愛着形成に必要なモノの要素を重点的に検討した。別のヒトとのコミュニケーションに用いるモノのイメージ贈り物:贈り物選択時に贈り主はモノへの価値づけ(客観的価値、実用的価値、感情的価値、他者表現性)を行っており、それらが贈ったモノへの愛着につながると期待していることがわかった。メディア:職場の対人関係とお詫びを伝える際の各種メディアのイメージを、送信者と受信者の両方の視点から検討した。その結果、心理的負荷や上下関係に関わらず、気持ちを伝えるために対面が最も適切であり、目上に対して携帯メールは礼儀正しくないと判断された。一方、同輩や目下に対しては電話(速い)や電子メール(正確)も容認されていることがわかった。ヒトとヒトでないモノとのやりとりについて道具:むだ時間系に対するヒトの運動適応について検討した。その結果、短期の運動学習スケジュールでは、制御成績には顕著な改善が見られなかったものの、操作者の運動意識には正の効果が惹起されることが明らかとなった。ロボット:人型二足歩行ロボットでは、ヒトへの接近行動が、ロボットを主体性を持つモノと認識させ、ヒトと協調して仕事を行う役割を期待させることが示された。より単純な、車輪移動と胴体後部の棒を振る機能だけをもつロボットでは、ロボットを擬人化・擬生物化する傾向がより顕著で、ヒトに「ついてくる」「しっぽを振る」ことが愛着に重要であるとともに、自律ロボットへの恐怖感や違和感が「しっぽ」により大きく緩和されることがわかった。快適性評価技法の開発感性評価の軸となる快適性を脳活動から評価する技法を検討した。脳波α波の周期ゆらぎによる快適性推定技術を検証し拡張するために、心地よさを伴う入眠に着目して、入眠潜時とゆらぎ係数との関係を検討した。その結果、左前側頭部のゆらぎ係数から入眠潜時を推定可能なことが示唆された。