著者
内田 照久 橋本 貴充
出版者
日本テスト学会
雑誌
日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.79-97, 2019 (Released:2019-08-18)
参考文献数
9
被引用文献数
2

センター試験を利用した私立大学出願の特徴を分析した。はじめに,多数の私立大学に出願する出願者の年次推移を検討した。(1) 散発的点在期(H20~23 年度)は,特定地域への局在性は見られず,散発的に点在していた。(2) 被災地局在期(H24~27 年度)は,東日本大震災の被災地域で急増し,3 年程で沈静化した。 (3) 膨張的拡大期(H28~29 年度)は,首都圏で先行して急増し,他の地域にも拡大していた。この (3)の背景として,大規模私立大学での (a) 複数学部のセット受験時の検定料の低廉化,(b) インターネット出願による手続きの簡素化,の2 点が誘因とされた。一方で,センター試験で私立大学に出願する実人数は,全国総計では増加していたが,18 歳人口の減少傾向が著しい過半数の県では逆に減少しており,地域間での対照的な動向の違いが明らかになった。
著者
内田 照久
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.131-139, 2002-06-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
22
被引用文献数
17 14

This study found non-linear functional relations between speech-rate and impressions of speakers' personality-traits. University students (N=376) evaluated speakers' personality impressions for speech sounds that were converted at different speech-rates from the original utterance spoken by four Japanese and four native English speakers. A short version of the Big Five Scale based on the five-factor model of personality was used. Factor analysis showed that listeners recognized each personality-trait independently through speech sounds, and that speech-rate affected personality impressions of speakers differently depending on the traits. Multiple regression analysis revealed that quadratic regression equations could provide good approximations of personality-trait values, and all the non-linear relationships were described fairly well. The locations of the peaks and the spread of the quadratic functions vary from trait to trait. The complex metamorphosis of personality impressions via speech-rate converted sounds can be inferred by combining those five curves. Finally, participants showed more sensitive responses to Japanese speakers than to English speakers.
著者
内田 照久
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.33-44, 1992-12-25
被引用文献数
1

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
内田 照久 中畝 菜穂子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.397-406, 2004-12-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
15
被引用文献数
6 3

This study investigated the systematic relationship between nonverbal features of speech and personality trait ratings of the speaker. In Study 1, fundamental frequency (F0) in original speech was converted into five levels from 64% to 156.25%. Then 132 undergraduates rated each of the converted speeches in terms of personality traits. In Study 2 134 undergraduates similarly rated the speech stimuli, which had five speech rate levels as well as two F0 levels. Results showed that listener ratings along Big Five dimensions were mostly independent. Each dimension had a slightly different change profile over the five levels of F0 and speech rate. A quadratic regression equation provided a good approximation for each rating as a function of F0 or speech rate. The quadratic regression equations put together would provide us with a rough estimate of personality trait impression as a function of prosodic features. The functional relationship among F0, speech rate, and trait ratings was shown as a curved surface in the three-dimensional space.
著者
内田 照久
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:21888663)
巻号頁・発行日
vol.2019-SLP-127, no.32, pp.1-6, 2019-06-15

声道長の縮小や拡大を模して,スペクトル包絡の周波数軸を伸長圧縮した声質変換音声では,基本周波数 (fo) の高低関係と声の高さの印象評価が逆転することがある.このピッチ感の錯覚が起こる条件の精査をするため,標準抑揚,平坦抑揚,逆相抑揚,疑似歌声,疑似ささやき声による評価実験を行った.
著者
内田 照久 大津 起夫
出版者
日本テスト学会
雑誌
日本テスト学会誌 (ISSN:18809618)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.77-84, 2013 (Released:2022-03-12)
参考文献数
21
被引用文献数
1

大学入試センター試験に代表される大学入学共通テストは,受験者の処遇を左右するハイ・ステイクスな試験である。このセンター試験への英語リスニングテストの導入については,センター試験の前身である共通第一次学力試験の時代から,幾度となく検討が繰り返されてきた。本報告では,その四半世紀余りに及ぶ議論の経緯を整理すると共に,長きに亘ってリスニングテストの導入が見送られてきた背景,その一方, 2003年に急転直下, リスニングテストの実施が発表された経緯を概括する。そして,現在行われているリスニングテストの課題を考えると共に,導入後の評価に関しても検討する。そして,大規模試験における望ましい変革のあり方を探る。
著者
内田 照久
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.71-86, 1998-12-30 (Released:2017-08-31)

This study found that segment duration is perceived categorically in Japanese. Using a speech time-scale modification algorithm, PICOLA plus 2, the nonword /kesonato/ pronounced by a native Japanese male was manipulated to generate stimulus continua. The durations of /s/, /n/, /a/, and /t/ closure interval were manipulated in four continua. In the first experiment, three stimulus pairs which had the same disparity in duration were selected from the short, long, and middle region of each continuum. Forty-eight randomized trials were presented to twenty native Japanese, who were asked individually to distinguish the stimuli by the ABX method. Pairs from the short and long regions of the continua were not accurately discriminated while pairs from the middle region were. In the second experiment, 44 stimuli were selected from every continuum. They were presented to the subjects for identification in Hiragana (Japanese characters). The second result demonstrated the existence of a moraic phoneme boundary paralleling the discrimination peak in the first experiment. This research concluded that native Japanese perceive the duration of relatively steady-static sounds categorically. And also it is suggested that native Japanese utilize an automatic duration detection routine.
著者
内田 照久
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.63-72, 2012 (Released:2013-01-16)
参考文献数
47
被引用文献数
4 4

教育心理学領域の測定・評価に係わる研究について, 2010~2011年の動向を概括した。従前から続く傾向として, 心理尺度の作成に係わる研究が数多く進められた。しかし本年は, 心理学的な構成概念や測定尺度の過度の氾濫や過剰供給に対する危機感から, 尺度の妥当性の検証の必要性を訴えると共に, 具体的な検証方法を提案するセミナーや発表が多くなされたのが特徴的であった。また近年, 心理測定や教育評価, テスト理論の研究領域は, その発展に伴って細分化が進んでいる。試験やテストに関連した教育評価の研究は, 教育心理学会からテスト学会などに発表の場が移動しつつあるように見受けられた。そこではテスト理論や統計手法の開発, IT技術の活用などのテスト技術に関する研究が精力的に進められる一方, 社会で実際に運用され, 受験者の処遇を左右するテストや試験の場面で発生している具体的な問題に向き合い, その解決を目的とした研究も行なわれている。これらの研究は, 教育心理学の従来からの課題でもある研究と教育実践の社会的な繋がりを考える上で, 大切な方向性の1つを示すものと考えられる。
著者
内田照久
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第61回総会
巻号頁・発行日
2019-08-29

問題と目的 本研究は,「教育測定データの蓄積」を,個人の学力評価や処遇決定のための資料的役割に留めず,教育制度の改善に向けた施策や配慮が必要な児童生徒の支援制度の設計を行うための,基盤となるエビデンス・データとして,有効に役立てて行くことを目指す。本報告では,はじめに大学入試に係るデータから,初等中等教育から高等教育まで連なる社会的な教育課程と,子どもの発達成長との適合性について考察する。方 法 はじめに,厚生労働省の人口動態調査を基に,平成30年度センター試験の新卒志願者と同学年コーホートに属する者の月齢別の出生者数を集計した。4/1生まれの者は前年度の学年コーホートに入るため,その補正も行った。その上で,月齢ごとに,センター試験の志願率をもとめた(Fig. 1)。 次に暦月齢ごとに,センター試験の英語筆記,国語,及び数学IA及びIIBについて,その平均点をもとめた(Figure 2)。結果と考察 Figure 1の月齢ごとのセンター試験志願率を見ると,歴月齢が高い程,その志願率が上昇していることがわかる。そして,いわゆる早生まれの暦年少者は構成比率が低く(37.1%~),月齢が高くなるとその比率が次第に上昇して,4月生まれの暦年長者の志願率が最も高くなっている(41.3%)。 一方,Figure 2の月齢別の試験成績を見てみると,今度は逆に早生まれの暦年少者で平均点が高く,月齢が高くなるにつれて低下する傾向が見られる。この現象は数学で最も顕著で,3月生まれの暦年少者では平均が113.3点であったが,4月生まれの暦年長者の平均は110.2点であった。なお,英語でもこの低下傾向が読み取れるが,国語では必ずしも明瞭ではない。 これらの原因として,中学受験をはじめとした早期選抜の影響が考えられる。初中教育段階での選抜では,月齢差による発達面の能力差が厳然と存在するので,暦年齢の関数の形で人数の偏りが発生すると推察される。そして,その構成比率が上位の学校まで持ち越されて,大学の受験機会にまで影響を及ぼしている可能性がある。 一方,暦年少者のポテンシャルは,決して低いものではないと考えられる。センター試験の成績では,暦年少者の方が暦年長者よりも数学や英語で平均点が高く,月齢に対する逆転現象が起きていた。暦年長者は,成長発達面で先んじていたが故の上位校合格者が多いとも考えられる。しかし,高校段階になると,学力の個人差は,発達差ではなく,学習の成果として顕在化するようになろう。すると,相対的人数は少ないが,成長面での不利に抗して勝ち残ってきた,潜在的ポテンシャルの高い暦年少者の集団が,暦年長者集団を学力面で,凌駕した帰結と捉えることもできるかも知れない。引用文献川口大司・森 啓明 (2007). 誕生日と学業成績・最終学歴 日本労働研究雑誌, No.569, 29-42.付 記 本研究は,平成28~30年度 大学入試センター理事長裁量経費の援助を受けた。
著者
内田 照久
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.151-162, 2017-03-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
34

話者の匿名性確保を目的とした声質変換の応用可能性を検証した。スペクトル周波数軸の伸縮によって声道長操作を模した変換音声を評価した。(1)声の自然性は声道長に対して放物線状に変化した。男声・女声ごとに最も自然に感じる声道長の存在可能性と共に,変換範囲の周縁部での品質低下が指摘された。また,声道長に比例する形で大柄な話者が想起された。なお,F0は同一でも,声道長が長いと声は低く認知された。(2)声道長を変えると別の人の声として認識され,逆に別人の声でも声道長を揃えると混同された。(3)変換音声による英語リスニングテストの成績は,標準的なテストの成績とほぼ遜色ないが,更なる品質向上が求められる。
著者
吉崎 一人 河合 優年 内田 照久
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.95-103, 1994-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
24

Using a dichotic listening test, the effects of attention on the right-ear-advantage (REA) for word recognition in 4-6 year children was analyzed. In Experiment 1, ear differences for word recognition was measured under free recall condition. The results showed REA in all year groups and suggested that the degree of left hemisphere advantage for word recognition did not change over 4-6 year group. In Experiment 2, ear differences during attentional condition was measured with the same children as Exp. 1. Attention was manipulated by requiring children to report from left or right ear first. In 4-5 year group, REA was obtained in both left- and right-ear-first conditions, but REA was not obtained in left-ear-first condition in 5-6 year group. These suggested the difference of attentional effects on REA between two year groups. In Experiment 3, ear differences during both left- and right-ear-first conditions was re-examined, six months later, with 4-5 year group. The results showed that REA was obtained in right-ear-first condition, but ear difference was not observed in left-ear -first condition. These findings suggested the possible effects of attention on the dichotic REA for word recognition even in preschool children.
著者
内田 照久
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.396-405, 2000
参考文献数
20
被引用文献数
18

話速変換音声に対する主観的なピッチ感を測定した。変換音声には平均F_0に有意差がないにも関わらず, 発話速度の低下に伴って音声はより低く認知されていた。音声を150%伸長した場合の認知的なバイアスの推定値は, 約-14.0melであった。次に話速変換による話者の性格印象への影響を検討した。性格特性5因子モデルに基づく測定の結果, 協調性は速度の低下に伴っていったん上昇, 更に遅くなると低下した。外向性, 開放性, 誠実性では, やや速い発話にピークがあり, 速度の低減と共に低下した。情緒不安定性にあまり影響はなかった。聴取者は性格印象を特性因子ごとに多元的に評価しており, 話速変換により組織的に影響を受けていた。
著者
内田 照久
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-13, 2005-03-31 (Released:2013-02-19)
参考文献数
22
被引用文献数
5 6

音声中の実音声区間と休止区間の時間配分と, 話者の性格印象, 音声の自然性との関係を検討した。パラグラフ・レベルの音声材料を用いて, 大学生581名を被験者として聴覚実験を行った。実音声時間長は, 性格印象, 自然性に特徴的な影響を与えていた。休止時間長の違いによる影響は比較的小さかった。実音声部の発話速度の変化に伴う性格印象の変化パターンは, Big Fiveの特性ごとに固有の2次回帰式で近似できた。勤勉性は速い発話で評価が高く, 遅くなると急峻に低下した。協調性では逆に, 速い発話で評価が低く, 遅い発話で高かった。外向性と経験への開放性はやや速い発話で評価が高く, より速くても遅くても下降した。情緒不安定性には影響は見られなかった。自然性はオリジナルの時間長で評価が最も高く, より速くても遅くても左右対称の形状で低下した。これらのことから音声の変換に伴う自然性の低下の影響は皆無とは言えないまでも, 性格特性ごとの独自性が確認された。この結果は, 性格印象全体の複雑な変化を捉えるために, 音声の時間構造の変化に応じて性格特性ごとに特性値を近似関数で推定し, その推定値を組合せて全体像を捉えるというモデルを支持するものであった。
著者
石原 恵子 吉田 倫幸 岩城 達也 小森 政嗣 木野 和代 加藤 荘志 内田 照久 出木原 裕順 石原 恵子
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

ヒトがモノに重ねるイメージと、愛着形成に必要なモノの要素を重点的に検討した。別のヒトとのコミュニケーションに用いるモノのイメージ贈り物:贈り物選択時に贈り主はモノへの価値づけ(客観的価値、実用的価値、感情的価値、他者表現性)を行っており、それらが贈ったモノへの愛着につながると期待していることがわかった。メディア:職場の対人関係とお詫びを伝える際の各種メディアのイメージを、送信者と受信者の両方の視点から検討した。その結果、心理的負荷や上下関係に関わらず、気持ちを伝えるために対面が最も適切であり、目上に対して携帯メールは礼儀正しくないと判断された。一方、同輩や目下に対しては電話(速い)や電子メール(正確)も容認されていることがわかった。ヒトとヒトでないモノとのやりとりについて道具:むだ時間系に対するヒトの運動適応について検討した。その結果、短期の運動学習スケジュールでは、制御成績には顕著な改善が見られなかったものの、操作者の運動意識には正の効果が惹起されることが明らかとなった。ロボット:人型二足歩行ロボットでは、ヒトへの接近行動が、ロボットを主体性を持つモノと認識させ、ヒトと協調して仕事を行う役割を期待させることが示された。より単純な、車輪移動と胴体後部の棒を振る機能だけをもつロボットでは、ロボットを擬人化・擬生物化する傾向がより顕著で、ヒトに「ついてくる」「しっぽを振る」ことが愛着に重要であるとともに、自律ロボットへの恐怖感や違和感が「しっぽ」により大きく緩和されることがわかった。快適性評価技法の開発感性評価の軸となる快適性を脳活動から評価する技法を検討した。脳波α波の周期ゆらぎによる快適性推定技術を検証し拡張するために、心地よさを伴う入眠に着目して、入眠潜時とゆらぎ係数との関係を検討した。その結果、左前側頭部のゆらぎ係数から入眠潜時を推定可能なことが示唆された。
著者
内田 照久 大津 起夫 伊藤 圭 内田 千春
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

近年,世界的なグローバル化が進む社会情勢の中で,直接的な対話のためのコミュニケーション能力が問われるようになってきた。そこで,対話場面で必要とされる能力を検証し,音声コミュニケーション能力の教育測定のためのテスト開発に係わる研究を行った。本研究期間中は,(1)大学入試センター試験へのリスニングテストの導入に至る歴史的経緯と評価,(2)音声の韻律的特徴と話し方の評価・話者の性格印象の関係性の定量的モデル化,(3)声質変換音声を用いた英語リスニングテストの評価実験,を行った。
著者
杉野 直樹 斎藤 栄二 高橋 貞雄 清水 裕子 根岸 雅史 野澤 健 石塚 智一 内田 照久 前川 眞一
出版者
全国英語教育学会
雑誌
ARELE : annual review of English language education in Japan (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.221-230, 2003-03

The present study aims at explicating the influence of test taking strategies on the test item reliability in English language proficiency tests. Widely known test taking strategies include starting with a certain section that might require more time than others to answer so that test takers can allocate more of their time allowance on it, or, especially in multiple-choice format, marking an alternative based on wild guessing. Also widely speculated is that, in the Daigaku Nyushi Center English test (DNC test, henceforth), those test takers who find themselves running out of time are forced to rely on wild guessing in answering test items. Some English language proficiency tests, such as TOEFL or TOEIC, strictly instruct test takers to tackle a specific section so that they cannot use the first strategy, however, many of the entrance examinations administered in Japan do not have such restrictions. In order to examine the influence of these two test taking strategies, viz. the 'answering order' strategy and the 'wild guessing' strategy, we conducted a large-scale survey using two parallel tests with different question/answering orders. Our analysis of the data with simulated wild guessing shows that wild guessing would deteriorate the test item reliability. Furthermore, it shows that those test takers who had more time to answer the same section seem to be using the wild guessing strategy anyway, which has significant implications on the test format itself.
著者
内田 照久
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.414-423, 1993-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
6

Many learners have difficulty in recognizing long vowels (LVs) and double consonants (DCs) in Japanese language. The purposes of this study are to investigate the characteristics of auditory perception of LVs and DCs in Japanese natives and to compare them with those of Chinese students. In the experiment I, 52 Japanese subjects were asked to judge 712 stimuli (human voices processed by a time expansion technique) whether they included LVs or DCs. The results show the threshold values are proportional to the speech speed and their judgements are the stablest in the range of natural speed. In the experiment II, threshold values were measured by the method of limits for four Japanese natives, four Chinese experts in Japanese language, and four Chinese novices. Threshold values in ascending series are longer than those in descending series for Japanese natives and Chinese novices, while the reverse is true for Chinese experts. This result suggests that Chinese experts use the different strategy in perceiving LVs and DCs to attain the same level of performance as Japanese natives.
著者
内田 照久 石塚 智一 杉澤 武俊 伊藤 圭 内田 千春
出版者
独立行政法人大学入試センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新しいコミュニケーション能力テストの可能性を検討した。従来からの論理的思考能力や表現応答能力といった言語能力の側面に加え,対人的な認知推論能力までを測定の対象とすることを目指した。1)音声の韻律的な特徴量と話者の性格印象の関係を明らかにするために聴覚実験を行ない,その関係性のモデルを提案した。それと並行して,2)リスニングテストと他教科の学力間の関係の布置とその推移を検証した。