著者
増山 英太郎 勝見 正彦
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.157-164, 1994-06-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
5
被引用文献数
1

桂枝雀は, 落語を聞いている者の心理的プロセスによって落ちを4分類した. この4分類の妥当性について検討, 考察することを目的として実験を行った. 桂米朝の語る8演目の落語のビデオを15名の大学生に見せ, 落ちのおかしさと印象に関する12個の質問項目に, 7段階で評定させた. 被験者全体の評定点を主成分分析した結果,“合わせ”,“なるほど”,“まとも”,“常識的”,“ドンデン返し”の5因子が得られ, このうち“まとも”を除いた4因子は各々, 桂枝雀の分類“合わせ”,“謎解き”,“へん”,“ドンデン”に対応するものであった. 次に各演目の主成分得点を求めプロットした図を考察してみると, その落ち分類各々に対応する主成分が高くなっている演目と, 必ずしもそうなっていない演目とがあった.
著者
増山 英太郎 勝見 正彦
出版者
Japan Human Factors and Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.37-45, 1992-02-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

被験者に漫才, CM, 落語の5演目ずつをビデオでみせ, その印象を28対の形容詞対により評定させ, 結果を主成分分析法および重回帰分析法によって解析した. 主成分分析の結果, (1) 直感的↔論理的因子, (2) きらい↔好き因子, (3) 攻撃的↔平和的因子, (4) リズミカルでなさ↔リズミカル因子, (5) しぶさ↔若々しさ因子, (6) あっさり↔しつこい因子が得られ, 累積寄与率は83%となった.落語は論理的で平和的であり, 漫才は攻撃的, CMは直感的といえる. 次に, これらの6主成分得点を独立変数に,“おかしくなさ”を従属変数とする重回帰式を導いてみたところ, 落語では直感的で, 好きで, 平和的であるほどおかしく, CMでは直感的で, 好きで, 攻撃的あるほどおかしいとなり, 寄与率は94~99%であった.