- 著者
-
匂坂 勝之助
荒木 忠
大和田 琢二
藤川 清三
- 出版者
- 北海道大学
- 雑誌
- 一般研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 1990
プラスチド イニシャル形成と低温度要求性:休眠覚醒後にプラスチド イニシャルの形成が始まるので、休眠覚醒のおこる低温度と覚醒のみられない環境条件下にポプラをおいて比較検討した実験で、休眠覚醒のみられないポプラではプラスチド イニシャルの形成は全く進行しないことがあきらかになった。プラスチド イニシャルは遊離状態で存在すること:ポプラの皮層部から遊離状態のプラスチド イニシャルを得た。プラスチド イニシャルの形成は多年生植物(樹木)で一般的にみられること:ダケカンバ、エゾニワトコ、スグリ、キタコブシ等の皮層細胞に休眠覚醒後にプラスチド イニシャルが存在することを明かにした。草木植物にプラスチド イニシャルが存在することを証明する予備的調査:ジャガイモ魂茎の形成期にアミロプラストの前駆体と思われる構造体の存在することを確かめた。この研究は現在継続中である。プラスチド イニシャル形成は各組織で同時に始まる:リンゴの花芽、葉芽及びシュートの皮層細胞でこのことを明らかにした。成熟プラスチドを経ないプラスチド イニシャルの形成:リンゴの花芽、葉芽及び皮層細胞から成熟プラスチドを経ない新しい形成過程を示す電子顕微鏡像を得た。この実験で、プラスチド イニシャルの形成に小胞体が直接関与していること及び小胞が活発に形成されてプラスチドイニシャルに融合している電顕像を得た。