著者
森 翔太郎 包 躍
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿 画像電子学会第286回研究会講演予稿
巻号頁・発行日
pp.5-8, 2018 (Released:2020-08-03)

近年、モアレ立体の原理を用いた立体表示が提案されている。従来のモアレを利用した表示装置では、表示物自体ではなく、表示装置の背景部分に奥行きを持たせることで、表示物に相対的な奥行きを与えていた。そこで、本論文では、表示物自体が実際の奥行きを持ったモアレ式の立体表示を実現することを目的とし、市販の液晶ディスプレイとレンチキュラーレンズを用いたモアレ式立体ディスプレイを提案する。試作した装置を用いた実験では、液晶ディスプレイに表示した周期パターンとレンチキュラーレンズによるモアレ干渉で、奥行きをもった画像の表示が可能であることが確認できた。
著者
松田 優樹 包 躍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.291, pp.7-12, 2012-11-08

近年,ディスプレイの高解像度化などにより,画像を高精細化する研究が盛んに行われており,特にフラクタルを用いた手法が研究されている.従来技術としてのフラクタル超解像処理は,補間式による拡大画像を復号初期画像として扱い,フラクタル復号を行うことで処理時間を短縮する方法や,画像を回転することで近似に用いるドメインブロックの数を増やし,さらにドメインブロックの検索を注目するレンジブロックの周辺に絞ることで処理時間を向上する方法がある.しかしこれらはエッジの連続性は保つことができるが,本来緩やかであるべき濃淡の変化が拡大画像で再現できない場合がある.そこで本稿では,画像をドメインブロックよりやや大きい細かい領域に分割し,領域ごとに異なる拡大処理を行う手法を提案する.領域にエッジが多く含まれていれば輝度分散によるフラクタル超解像処理を行い,濃淡が緩やかに変化する領域は補間式による拡大を行うことで,両者の利点を活かした拡大ができる事を確認した.
著者
包 躍
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

粗なレンチキュラーレンズの焦点面多層化により超深い奥行感を提供することを目的として下記項目を実施①当初予定のプリズムと静止画で実験を行い、深い3D映像提示の可能性を確認②プロジェクタで動画式を構築、ディストーション問題を確認③LCDとマジックミラーでディストーションを改善、モアレ問題を確認④従来の裸眼3D表示にも使えるモアレ軽減法を提案⑤薄型化のため半透明LCDを用いた方式を提案⑦実環境に対応するため、自由視点3D撮影法を提案⑧深さ評価でHMDを検討した結果、バーチャルTVを実空間中に自由な深さに固定する方法を考案⑨結論、粗なレンチキュラーレンズの焦点面多層化は3D映像を深くすることができる。