著者
山口 勝己 屋敷 和佳
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

引き戸タイプオープン型教室に対する教員評価から、授業に影響する音が軽減できる点、容易に開閉できる点から、引き戸タイプを評価する教員が非常に多いことが示された。また、雑誌掲載事例の分析及び大都市のオープン型教室設置の経年的分析により、ここ10年程度で完全オープンタイプがほとんどみられなくなり、引き戸タイプが急速に増えていることが明らかになった。標準的な間仕切りとして定着しているといえる。完全オープンタイプの問題点や引き戸タイプの利点と普及状況が設置者に認識されたためであると思われる。ただし、引き戸タイプでもオープンスペースの利用が必ずしも活発であるとは言えず、今後の計画的検討が必要である。
著者
岡部 大介
出版者
東京都市大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

様々な履歴を持った人々がゆるやかにつながるファン・コミュニティにおいては,コンテンツの消費だけではなく,生産活動が重視される.本研究では,日米のファン文化を対象に,どのようなコミュニケーションを通して,創造活動が促進されるのかをエスノグラフィックに記述した.具体的には,情報ネットワーク化された社会に「足場掛け」られながら促進される学習と,様々な道具や知識,情報の「密猟」を介したものづくりについてフィールドワークとインタビューを行い,質的データ分析手法を用いて分析した.結果,つくることを通したネットワーキングのありようや,インフォーマルな学習がどのように調整されるかを見ることができた.
著者
槇 徹雄 大賀 涼 櫻井 俊彰
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

国内中小企業が超小型ミニカーを開発する際の安全指針を明確化し,さらに海外からの不安全車両の輸入を抑制することで,国内の交通事故環境を維持改善する.これまでの衝突形態として、剛壁への衝突試験形態から乗用車との対車両衝突とし,よりリアルワールドでの衝突形態に変更してミニカー車体の上部構造も含む全車体構造のエネルギー吸収特性の最適化や乗員傷害値低減手法を検討する.
著者
槇 徹雄 田久保 宣晃 大賀 涼 櫻井 俊彰
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

超小型ミニカーの前面衝突実験を実施し、市販車両の衝突安全性能を把握した。従来車体構造では乗員の生存空間を確保することが難しく、コンピュータ解析を用いた構造解析により車体の安全性能を大幅に向上させることができることを明確にした。具体的には車体前部の衝突エネルギー吸収量を増加し、さらにルーフへの荷重をコントロールすることで若干の重量増で、前面衝突時の安全性能を確保できることを明確にした。その結果、超小型ミニカーにも通常の市販車並みの衝突安全性能を確保できることの方向性を示すことができた。
著者
岩下 剛
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日本スポーツ振興センターの事故データと、事故発生時の気象データをマッチングさせ研究を行った。冷房普及率の高い東京都区部および冷房普及率の低い東京都市部の学校を調査したところ、夏期、中間期において区部小中学校教室における事故率の経年減少が市部小中学校教室に比べ著しかった。学校における熱中症発生と環境温度との関係を考察したところ、外気温熱指標の上昇に対応する熱中症発生リスクの増大が顕著であった。高温下の体育館における環境温度の熱中症発生への影響は校庭と同等であることを確認した。東京都のある区の学校空気検査結果行政データを入手し考察したところ、中学校教室で平均CO2濃度が基準を超過していた。
著者
白木 靖寛 丸泉 琢也 野平 博司 澤野 憲太郎 瀬戸 謙修 徐 学俊 夏 金松 中川 清和 松井 敏明 宮田 典幸 宇佐美 徳隆
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

次世代LSI(大規模集積回路)の高速・低消費電力化のための革新的デバイスとして、Si基板上Ge光電子融合デバイスの実現へ向けた基盤技術を、シミュレーション技術開発とともに確立した。従来とは異なる新規な歪みGeチャネル形成、絶縁層上歪みGe(Ge-on-Insulator)基板作製に成功し、また、量子ドットを有する、フォトニック結晶やマイクロディスク等の微小共振器構造を組み込んだ電流注入発光デバイスを作製し、室温における強い電流注入発光、導波路とのカップリングに成功した。
著者
西 喜士
出版者
東京都市大学
巻号頁・発行日
2021-03-19

2020年度(令和2年)
著者
白鳥 英
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

半導体デバイス、MEMS、ディスプレイのカラーフィルタ等の製法では機能性の液膜を基板に塗布する工程があるが、様々な物理要因によって種々の膜厚ムラが発生し、最終製品の寸法精度が低下してしまう課題がある。この膜厚ムラの発生を回避・抑制できるような最適塗布条件を数値シミュレーションによって探索したいが、従来の方法では①時間発展計算に時間を要すること、②計算に必要な塗膜の物性値の測定・入手が困難なこと、が障壁となっていた。本研究では①支配方程式を教師とした機械学習を導入して高速に膜厚ムラを予測する枠組みを構築し、②塗膜の物性値をデータ同化の方法によって推定できるようにすることで上記の課題の解決を目指す。
著者
橋本 義武 阪口 真 大場 清 安井 幸則 中井 洋史
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

グロタンディークの双二十面体に基づいて,通信理論における誤り訂正符号に用いられるゴレイ・コード,ウィット・デザインの構成を見直した.C2有限頂点代数の共形場理論において,量子場の相互作用を記述するフュージョン積と因子化の定式化をおこなった.
著者
濱本 卓司
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

地震や台風による自然振動源からの振動と道路・鉄道交通や建設作業などの人工振動源からの振動を建築物の内外で計測するワイヤレス・センサ・ネットワークを構築することを目的に、ワイヤレスMEMS加速度センサの開発とZigBee無線データ転送及び処理方式の検討を行い、都市で発生する振動を広域高密度でモニタリングすることにより、安全で快適な都市の振動環境を評価し管理するための方法を提案した。
著者
梅原 英一 諏訪 博彦 小川 裕樹
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究ではYahoo!株式掲示版と株式市場の関係を分析した。第1に株式リターンを説明する新たなファクターを発見した。自然言語処理を用いて単語出現頻度(TF/IDF)を計算し、上位700単語の主成分分析でファクターを抽出した。その結果、投資戦略・株式保有・金融経済の3ファクターを抽出した。第2に日経平均VI指数(恐怖指数)との関係を分析した。掲示板にトピック分析(LDA)を行った。トピック投稿率とVI指数に相関があることが分かった。本研究で開発した手法を用いてTwitterとTV深夜アニメ番組の次週視聴率を分析し、投稿数・実況ツイートのネガティブ単語数と有意な相関があることが分かった。
著者
大西 暁生 石 峰
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、黄河流域を対象に水利権転換の導入によって引き起こされるであろう水資源への影響と、環境汚染・資源消費・社会経済への影響を総合的に検討した。具体的には、地域の経済成長と水利用との関係を把握するとともに、地表と地下の水利用の実態を解明した。さらに、効率性を考慮することで転換可能水量を算出し、水需給ギャップの把握と黄河の流出量への影響を検討した。そして、工業生産(インフラ建設投資等)の水資源に対する影響を分析することによって、最終的にはこの流域における省資源型・環境調和型社会を目指した適正な水資源配分のあり方を水利権転換といった観点から検討した。
著者
本多 照幸 持木 幸一 岩月 輝希 水野 崇
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

高レベル放射性廃棄物(HLW)処分に係わる様々な岩相を分析した結果、多くの変質帯において、天然類似元素の濃集を示した。天然類似元素は、地層中に存在するランタノイド(Ln)及びウラン、トリウムであり、HLW中の放射性物質と化学的性質が近似である。地下水等に伴いHLWから人工バリアを経て移行した放射性物質が天然の地層中に拡散するが、このような変質帯との相互作用によって、変質帯中に取り込まれ、地層中に保持され、生活環境へ到達するまでの遅延効果が期待できるものと思われる。
著者
濱本 卓司 倉田 成人 猿渡 俊介
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

都市における想定外事象の発生に備え,事前対策として原因分析や予知・予測に必要な基礎データを提供し,事後対策として避難誘導,安否確認,救助・救援活動を支援する建築群のネットワーク異常検知システム構築に関する実証的研究を行った。厳しい環境の下で建築群が崩壊過程にある長崎県軍艦島を検証の場として選び,映像・音声・振動のセンサデータを総合的に利用して想定外事象の発生を検知し,建築群の非線形挙動を追跡して損傷から崩壊への進行を監視する視聴触統合センシングシステムを実装した。現地におけるシステム構築により得られた新たな発見と経験的知見に基づき,システム改善のための今後の課題を明らかにした。
著者
佐和橋 衛
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本課題では,InternationalMobileTelecommunications(IMT)-Advancedの次の世代の移動通信方式への適用を目指したギガビット超のブロードバンド無線パケットアクセスのキーの基盤技術の提案および評価を行った.具体的には,直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:OrthogonalFrequencyDivisionMultipleAccess)およびシングルキャリアFDMAを用いる高効率マルチアクセス,無線リソース割り当て制御,制御情報の高効率多重法,高精度チャネル推定,Multiple-InputMultiple-Output(MIMO)チャネル技術の要素技術を提案し,効果を計算機シミュレーションにより明らかにした.
著者
栗原 哲彦
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ギ酸水溶液(濃度15、20%)及び塩酸水溶液(濃度10%)を用いてコンクリートを14日間溶解させた結果、JIS規格のH相当の再生粗骨材を、L相当の再生細骨材を回収することができた。溶解開始3日まででかなりの溶解が進み、その後は徐々に溶解が進行することが分かった。また、ギ酸と塩酸の混合溶液を用いた場合、再生粗骨材では溶解3日で絶乾密度2.57g/cm3、吸水率2.16%となり、JIS規格のH相当品を得ることができた。再生細骨材の場合も溶解3日で絶乾密度2.52g/cm3、吸水率3.10%が得られ、H相当品となった。以上より、短期間でコンクリートをリサイクルするシステムを構築できる可能性を得た。
著者
林 正博
出版者
東京都市大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

一部の小さな故障が、通信ネットワーク全体に波及し、大きな被害をもたらすカスケード故障に対する対策を評価する方法を確立し、数値実験により、効果的な対策につながる評価結果を得た。具体的には、従来のような、カスケード故障発生後の分離されたネットワークのブロックの大きさを評価尺度とするのではなく、対地間の通信量の違いを考慮に入れた評価尺度提案し、評価する方法を確立した。さらに、カスケード故障の発生頻度に着目し、必ずしも大規模でなくても、頻度の大きいカスケード故障を想定した評価尺度などを考案し、対策の評価を行った。結果として、装置の導入のやり方によって、カスケード故障の規模や頻度が異なることが判明した。