著者
北原 武嗣 杉浦 邦征 山口 隆司 田中 賢太郎
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

海溝型巨大地震のような長周期・長継続時間地震波を受ける鋼製橋梁の耐震性能の把握が重要である。そこで,都市高速に多用されている鋼製橋脚を対象とし,ハイブリッド実験,静的繰返し載荷実験およびFE非線形解析により,最大耐力履歴後の数十回に及ぶ繰返し変位による耐力低下を検討した。その結果,最大荷重履歴後,初等はり理論で弾性範囲と考えられる数十回に及ぶ変位載荷により,耐力は10%程度低下する可能性のあることが分かった。また繰返し振幅範囲が大きいほど,繰り返し数が多いほど耐力低下の割合が大きいことがわかった。
著者
北原 武嗣 田中 賢太郎 山口 隆司 岸 祐介 濵野 剛
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_499-I_508, 2012
被引用文献数
1

近年,構造物の地震応答に関して,海溝型巨大地震により励起される長周期かつ長継続時間の地震動の与える影響が注目されている.海溝型巨大地震では,数百秒程度の継続時間となることが予測されており,その際,構造物が最大荷重を履歴した後にも数十回~数百回オーダーでの繰り返し振幅を受けると考えられている.一方,鋼製橋脚の耐震設計として実施されてきた繰り返し載荷実験では,主に3回程度の繰り返しを行ってきた.そのため,海溝型巨大地震に対する鋼製橋脚の耐震設計に関しては,十分に解明されていないのが現状である.そこで本研究では,海溝型巨大地震のような継続時間の長い地震動を受ける既設高架橋の耐震性能を把握することを目的として,都市高架橋に多用されている単柱式鋼製橋脚を検討対象とし,数十回オーダーの繰り返し振幅が構造物の耐荷性能に与える影響について検討を行った.