著者
並木 禎尚 北本 仁孝
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

従来の簡易診断法の最小検出限界を低減できる超高感度・迅速な磁気バイオセンサチップを開発した。その実現のための要素技術は次の3点に集約され、これらの達成が本申請研究の目的である。1) 一次抗体被覆ナノ粒子・抗原複合体の磁気濃縮(微小空間での磁気分離による、希薄検体からの抗原抗体複合体の高効率捕捉)と、二次抗体によるシグナル増幅。2) マイクロ流路内のブラウン運動活性化と層流による抗原抗体反応の活性化。3) 高い交流磁界応答を示す磁性粒子プローブ、高感度センシング、磁性粒子-免疫複合体の物理的捕捉、トンネル磁気抵抗効果型磁気センサーと駆動回路技術から構成)。・本成果により、新型インフルエンザの超早期診断率の大幅な向上が見込まれる。迅速・適切な対応が可能になるため、重症化・蔓延の防止に大きく貢献する。急増している新型インフルエンザは、従来型よりも致死率が高く、本申請は緊急性の高いテーマである。・日本が世界をリードするナノテクノロジーを応用するため、日本の強みを活かせる。・手のひらにのるサイズのハードディスクドライブのように小型化が可能で簡便なツールとなりうる。量産技術がある程度確立しているので、使い捨てと考えても余りコストがかからない。・他疾患の診断にも応用できるため、大きな波及効果が期待できる。本年度は、抗原抗体反応を迅速・鋭敏に検出できる磁気バイオセンサチップを完成させ、特許出願、論文投稿、学会発表を行っている。
著者
北本 仁孝
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

磁気計測による新規の化学・生化学センサの開発のために、磁性ナノ粒子を刺激応答性ハイドロゲルに内包した磁気ハイドロゲルをバイオセンシングのラベルとして創製した。磁性ナノ粒子の分散・凝集状態を制御するために、磁性ナノ粒子がpH等の化学的刺激に応答するハイドロゲル中に適切な配置で分散し、かつゲル中で物理的な回転・振動をすることができる、構造制御された磁気ハイドロゲルラベルである。pH応答性ゲルの膨潤特性の変化に伴い、磁性ナノ粒子の流体力学的振舞(物理的な運動)の変化を交流磁化計測により検出した。さらに、この磁気ハイドロゲルを用いて、交流磁化特性の計測によってアンモニアガスを検出することに成功した。
著者
玉浦 裕 阿部 正紀 北本 仁孝 金子 宏 長谷川 紀子
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

集光太陽ビームをセラミックスに照射し1300-1600℃に急速加熱すると、特殊な反応中間体を経由し、空気酸素分圧下で酸素放出反応が進行することを世界で初めて明らかにし、この反応で生成したセラミックス還元体が水を分解(水素生成過程)することを見出した(特開2008-094636)。これを用いるソーラー水素生産の実用化に向け、ロータリー式太陽反応炉およびビームダウン式集光システムの開発を行った。