- 著者
-
金子 宏
- 出版者
- 一般社団法人 日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.2, pp.104-112, 2016 (Released:2016-02-29)
- 参考文献数
- 24
2014年4月,代表的な心身症である機能性ディスペプシアの診療ガイドライン2014が日本消化器病学会から刊行された.診療を左右する重要なクリニカルクエスチョン (CQ) を63個とし,概念・定義・疫学,病態,診断,治療,予後・合併症について実地臨床に即してステートメントと推奨レベルが示された.ガイドライン2014の診断と治療のフローチャートでは,酸分泌抑制薬,運動機能改善薬を初期治療に使用し,抗不安薬,抗うつ薬は第2段階の薬剤選択とされ,治療抵抗性で心理社会的因子の評価のうえで専門治療として心身医学的治療 (自律訓練法,認知行動療法,催眠療法など) などが位置づけられている.心身医学的治療を実践できる体制作りが求められている.