著者
北村 匡彦 白井 大介 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.279, pp.31-36, 2008-10-30

本稿は,LDPC符号の一種であるLDGM符号の復号並列化を検討する.LDGM符号は,符号長および符号化率を自由に設定でき,符号・復号がシンプルに構成可能なブロック符号である.特にマルチキャストをはじめとするUDP/IPを想定した場合には,下層の機能により誤り検出が完了しているため,LDGM符号では誤り訂正のみを行えばよい.このため,高速かつ効率的にFEC処理が可能である.LDGMの復号処理は超多元1次の検査方程式を解く過程に相当し,その解く順序を決定することが求めれる.本稿では,まずはじめに処理コストの軽い検査方程式順序の走査を行い,その後で処理コストの重い誤り訂正処理を実行する2パス処理手法を提案する.これにより,受信ホストでは単位ブロックのパケットを受信した瞬時に,つまり,誤り訂正処理を行う前に,消失したパケットの回復の可/不可を判別することができる.また,同時に,検査方程式の集合全体の依存関係を知ることができるため,並列処理が可能になる.
著者
白井 大介 北村 匡彦 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.244, pp.43-48, 2007-09-27
被引用文献数
10

JPEG 2000符号化方式を用いた4K(4096x2160ピクセル)超高精細映像ストリーミングシステムを開発した.本システムは,DCI(Digital Cinema Initiative,LLC.)によるディジタルシネマ仕様に定められた4K解像度の映像を,リアルタイムに符号化し300Mbit/s以上のビットレートで伝送,復号する.伝送にはLDGM符号に基づく高速誤り訂正技術を適用し,エラー率4%のネットワークにおいても10%程度の冗長度でロバストな映像伝送を可能とした.本稿では本システムの詳細と,評価実験結果について述べる.