著者
藤井 竜也 藤井 哲郎 小野 定康 白川 千洋 白井 大介
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.80-89, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

筆者らは,高品質な画質を要求される分野での映像コンテンツの流通を目的として超高精細画像システムの研究開発と,その動画像アプリケーションとして4K ディジタルシネマの開発を進めてきた.本稿では, その4K ディジタルシネマのれい明期から検討を行ってきた劇場向けライブストリーミングの実現技術と, そのディジタルシネマ用プロジェクタとシネマ配信用の高速光ファイバネットワークによってコスト的にもそのビジネス性可能性を高めた新たな映像配信アプリケーションである劇場向けライブ配信(ODS サービス)について説明する.
著者
北村 匡彦 白井 大介 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.279, pp.31-36, 2008-10-30

本稿は,LDPC符号の一種であるLDGM符号の復号並列化を検討する.LDGM符号は,符号長および符号化率を自由に設定でき,符号・復号がシンプルに構成可能なブロック符号である.特にマルチキャストをはじめとするUDP/IPを想定した場合には,下層の機能により誤り検出が完了しているため,LDGM符号では誤り訂正のみを行えばよい.このため,高速かつ効率的にFEC処理が可能である.LDGMの復号処理は超多元1次の検査方程式を解く過程に相当し,その解く順序を決定することが求めれる.本稿では,まずはじめに処理コストの軽い検査方程式順序の走査を行い,その後で処理コストの重い誤り訂正処理を実行する2パス処理手法を提案する.これにより,受信ホストでは単位ブロックのパケットを受信した瞬時に,つまり,誤り訂正処理を行う前に,消失したパケットの回復の可/不可を判別することができる.また,同時に,検査方程式の集合全体の依存関係を知ることができるため,並列処理が可能になる.
著者
白井 大介 北村 匡彦 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.244, pp.43-48, 2007-09-27
被引用文献数
10

JPEG 2000符号化方式を用いた4K(4096x2160ピクセル)超高精細映像ストリーミングシステムを開発した.本システムは,DCI(Digital Cinema Initiative,LLC.)によるディジタルシネマ仕様に定められた4K解像度の映像を,リアルタイムに符号化し300Mbit/s以上のビットレートで伝送,復号する.伝送にはLDGM符号に基づく高速誤り訂正技術を適用し,エラー率4%のネットワークにおいても10%程度の冗長度でロバストな映像伝送を可能とした.本稿では本システムの詳細と,評価実験結果について述べる.
著者
白井 大介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.21, pp.1-6, 2006-03-03
被引用文献数
1

高帯域ネットワークを利用したハイエンド映像通信アプリケーションとして,800万画素超の映像を符号化,蓄積,伝送及び表示する超高精細映像配信システムを開発し,実ネットワークを利用した様々な配信実験,上映評価実験を行った.この結果,2005年にハリウッド標準の最高品質のディジタルシネマ規格として4K (4096x2160ピクセル)解像度が採用された.また,ディジタルシネマのみならず,超高精細映像によりカメラワークの必要ない高臨場ライブ配信や,黒板の小さな字も判読できる遠隔講義等のアプリケーションが実現できる.本稿では,超高精細映像配信システム及びこれを用いた配信実験について紹介し,4Kディジタルシネマ規格の解説,2006年1月に行った4Kクラス非圧縮映像伝送実験などについて触れ,超高精細映像コンテンツ配信における技術動向を述べる.We developed Super High Definition movie distribution system, which allows encoding, decoding and distributing over 8 Mega pixel resolution images, as a high-end application on broadband network. We have conducted various transmission experiments and image quality estimation using actual IP network. These results has been endorsed by professionals working in Hollywood and 4K (4096 x 2160 pixels) resolution has been adopted as the highest level of the digital cinema specification formalized in Hollywood. Besides a digital cinema, this system allows implementing a high realistic live image distribution system not requiring any camera work, and a distance education system which allows a student to recognize small written words on the chalkboard. This paper introduces the Super High Definition movie distribution system and experiments using the system, and surveys the technology of Super High Definition movie transmission covering the 4K digital cinema specification.