著者
藤井 竜也 藤井 哲郎 小野 定康 白川 千洋 白井 大介
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.80-89, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

筆者らは,高品質な画質を要求される分野での映像コンテンツの流通を目的として超高精細画像システムの研究開発と,その動画像アプリケーションとして4K ディジタルシネマの開発を進めてきた.本稿では, その4K ディジタルシネマのれい明期から検討を行ってきた劇場向けライブストリーミングの実現技術と, そのディジタルシネマ用プロジェクタとシネマ配信用の高速光ファイバネットワークによってコスト的にもそのビジネス性可能性を高めた新たな映像配信アプリケーションである劇場向けライブ配信(ODS サービス)について説明する.
著者
山口 高弘 坂野 寿和 藤井 竜也 安藤 裕 北村 正幸
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J84-D2, no.6, pp.1203-1212, 2001-06-01

遠隔医療コンサルテーションは,地方の診療所と中央の病院を結び,遠隔の医師に対して中央の専門医が診断支援を行うサービスである.本研究は,そうしたサービスを実現するために必要な機能を明らかにし,そうしたシステムを具現化することを目標としている.我々は,高速ネットワーク,医用画像データベース,超高精細画像読影ステーション,IPテレビ会議システムをベースとした遠隔医療システムを構築し,それをベースとして遠隔医療コンサルテーションシステムを開発した.開発したシステムを用いて,遠隔の2人の医師が同じ画像を参照しながら放射線治療に関して相談する遠隔医療コンサルテーション実験を行った.ネットワーク速度に依存しない高速な画像表示切換を実現する画像プリロード機能や,画像表示連携機能,共有ポインタ表示機能などシステム上に実装した連携機能の有効性を実験的に明らかにした.
著者
北村 匡彦 白井 大介 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.279, pp.31-36, 2008-10-30

本稿は,LDPC符号の一種であるLDGM符号の復号並列化を検討する.LDGM符号は,符号長および符号化率を自由に設定でき,符号・復号がシンプルに構成可能なブロック符号である.特にマルチキャストをはじめとするUDP/IPを想定した場合には,下層の機能により誤り検出が完了しているため,LDGM符号では誤り訂正のみを行えばよい.このため,高速かつ効率的にFEC処理が可能である.LDGMの復号処理は超多元1次の検査方程式を解く過程に相当し,その解く順序を決定することが求めれる.本稿では,まずはじめに処理コストの軽い検査方程式順序の走査を行い,その後で処理コストの重い誤り訂正処理を実行する2パス処理手法を提案する.これにより,受信ホストでは単位ブロックのパケットを受信した瞬時に,つまり,誤り訂正処理を行う前に,消失したパケットの回復の可/不可を判別することができる.また,同時に,検査方程式の集合全体の依存関係を知ることができるため,並列処理が可能になる.
著者
小野 定康 藤井 哲郎 藤井 竜也
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.2_10-2_33, 2009-10-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本稿では, 日本発の超高精細4K ディジタルシネマの開発とハリウッドをはじめとする映像専門家の間で高い評価を得るに至った歴史について述べる. それは決して平たんな道ではなかったし, これからも様々な問題に遭遇するであろと予想している. しかしそれらがあっても, この超高精細画像を使う究極のコンテンツと呼ばれるディジタルシネマが最終段階に入ってきたことは確実になって現在に至っている.
著者
白井 大介 北村 匡彦 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.244, pp.43-48, 2007-09-27
被引用文献数
10

JPEG 2000符号化方式を用いた4K(4096x2160ピクセル)超高精細映像ストリーミングシステムを開発した.本システムは,DCI(Digital Cinema Initiative,LLC.)によるディジタルシネマ仕様に定められた4K解像度の映像を,リアルタイムに符号化し300Mbit/s以上のビットレートで伝送,復号する.伝送にはLDGM符号に基づく高速誤り訂正技術を適用し,エラー率4%のネットワークにおいても10%程度の冗長度でロバストな映像伝送を可能とした.本稿では本システムの詳細と,評価実験結果について述べる.