著者
吉村 司 泉 正隆 小田 貴弘 千木良 佑介
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.615-620, 2017 (Released:2017-10-28)
参考文献数
11

【目的】週3回の透析中運動療法を3か月 (12週) 間実施し, その有効性および運動継続率を検討した. 【方法】透析導入後6か月以上経過した維持透析患者8例 (男性5例, 女性3例) に対し, 週3回の透析中運動療法を3か月 (12週) 間実施し, 各種血液検査データ・下肢筋力・運動耐容能・QOL・運動継続率をその前後で比較検討した. 【結果】3か月 (12週) 間の運動継続率は100%であった. 大腿四頭筋筋力のみ有意な上昇 (p<0.05) を示し, その他有意差はみられなかった. 患者アンケートでは, 8例中6例で肯定的・意欲的な結果が得られた. 【結語】透析中運動療法は, 運動継続率が高く今後の長期的な介入により身体機能維持・向上およびQOL向上に期待できる可能性がある.
著者
千木良 佑介 高井 智子 馬場 美早紀 土橋 邦生
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.313-318, 2014-12-31 (Released:2015-11-13)
参考文献数
21

COPD患者の多次元的重症度評価は生命予後の観点から重要であるといわれている.しかし,呼吸リハビリテーションのBODE indexの重症度別の効果は明らかでない.対象はADLの自立している外来呼吸リハが可能なCOPD患者37名.週に1回,3ヵ月間の介入を行った.介入前後で呼吸機能検査,下肢筋力検査,6分間歩行試験,QOL評価を行った.BODE indexの重症度別にⅠ群(軽症),Ⅱ群(中等症),Ⅲ群(重症),Ⅳ群(最重症)と群分けし,効果を検討した.Ⅱ,Ⅲ群は介入前後で呼吸機能,運動機能の有意な改善が認められた.群間での改善率の比較では,呼吸機能でⅡ,Ⅲ群はⅠ群と比較し有意に高く,運動耐容能ではⅢ群はⅠ,Ⅳ群と比較し有意に高い結果であり,Ⅲ群で最も改善率が良好であった.呼吸リハビリテーション効果はBODE indexの重症度により改善に差があることが確認された.