著者
安田 雅俊 船越 公威 南 尚志
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.21-25, 2015 (Released:2015-07-04)
参考文献数
15
被引用文献数
2

2013年12月から2014年2月まで,鹿児島県大隅半島南部の低標高の照葉樹林において,巣箱と自動撮影カメラを組み合わせた方法でヤマネGlirulus japonicusの活動性を調査したところ,冬期に20日以上の間をあけずに,しばしば撮影された.調査地における調査期間中の日平均気温の平均値は9.0°C(範囲:3.5~16.8°C)で,ヤマネが冬眠入りする目安とされる気温(8.8°C)と同程度であった.九州南部のヤマネは冬眠期間が短いか,冬期の暖かい時期に一部の個体が冬眠から覚醒して活動している可能性がある.また,暖冬などの気候条件によっては冬眠しない個体の出現が予想される.