- 著者
-
南 範彦
西田 吾郎
吉村 善一
古田 幹雄
夏目 利一
島川 和久
- 出版者
- 名古屋工業大学
- 雑誌
- 基盤研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2001
Gを位相群、X, YをG-空間とする時、XからYへのG写像全体のG-ホモトピー類全体の集合[X, Y]^Gが空集合で無いための極めて普遍的な障害類として、G空間対X, Yのオイラー類e(X, Y)∈[X_+,S^O*Y]^G_*を定義し、何時これが完全に忠実な障害類になるか(つまり、e(X, Y)が自明なら[X, Y]^G≠0が帰結できるか)など、幾つかの性質を得た。この問題に関しては、現実的に計算しやすい(一般に忠実とは限らない)障害類を原靖浩氏とともに開発した。このような考え方は、Farberによって定義されたロボットアームなどのモーションプラニングの困難度を測るトポロジカル・コンプレクシティーの考察や、また抽象ホモトピー論としてのモデルカテゴリー的な観点からVoevodsskyらのA^1-ホモトピー論や関する幾つかの知見も得るのに用いられた。またHELPを通した特異点論におけるThom多項式の一般化にも着手し進歩が得られた。古田幹雄氏は、適当なコホモトピー群に値を持つ境界のない4次元可微分多様体に対する安定ホモトピーSeiberg-Witten不変量と違い、境界のある4次元可微分多様体に対する安定ホモトピーSeiberg-Witten-Floer不変量は、Fredholm Universeというproスペクトラムという、代数的位相幾何学での伝統的なMay流のuniverseの手法を用いてcoordinate freeなスペクトラムで表そうとすると対応するuniverseがtwistされたものを用いて表されることに注意した。これは従来の代数的位相幾何学には存在しなかった現象で、極めて興味深い。また、期間中には以下の多くの研究集会を主催し、活発な研究連絡を行った。1.国際会議"International Conference on Algebraic Topology"(2003年07月27日〜08月01日)2.名工大代数的位相幾何学国際ワークショップ03(2003年08月03日〜08日)3.名工大ホモトピー論集会01(計1回),02(計4回),03(計1回),04(計1回)。