著者
高崎 健 小林 誠一郎 鈴木 茂 鈴木 博孝 武藤 晴臣 原田 瑞也 戸田 一寿 済陽 高穂 山名 泰夫 長岡 巍 朝戸 末男 林 恒男 喜多村 陽一 平山 芳文
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.759-765, 1980-07-01
被引用文献数
16

食道静脈瘤に対する直達手術としての食道離断術には, 経胸的, 経腹的の二通りの方法がある. この両術式は単に食道離断を胸部で行うか, 腹部で行うかといった差ではなく, 血行郭清の考えか方に大きな相違がある. しかしながら一般にはこの点について誤解があると思われ, 経腹的な方法では血行郭清が不十分であると思われているむきがある. われわれの経腹的食道離断術100例の成績は手術死亡6例, 再出血は6例であるが, 血行郭清に改良を加えた最近の58例には再吐血は認められておらず, 経胸的方法にくらべ何ら遜色ない術式であると考え, 食道静脈瘤の成り立ちより考えた両術式の血行郭清の相違点につき明らかにしたい.
著者
小林 誠一郎 高崎 健 浜野 恭一 山田 明義 鈴木 茂 青木 暁 武藤 晴臣 原田 瑞也 秋本 伸 岩塚 迪雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.686-690, 1977-11-30

腸管吻合器の消化管手術分野への応用について, 私どもの58例の臨床経験を述べた. 食道静脈瘤に対する食道離断術, 食道癌に対する食道胃吻合術 (胸壁前および胸腔内吻合) 噴門部癌に対する食道空腸吻合術, 直腸結腸病変に対する低位前方切除術などに関して, その利用方法, 手術手技について略述した. 器械を用いることの利点としては, 吻合の確実性, 手術時間の短縮, ひいては手術侵襲の軽減などがあげられよう. とくに下部食道噴門部癌に対する経腹的操作のみによる, 縦隔側高位での食道切離食道空腸吻合術については, 吻合器使用の良い適応であると考えている.