著者
新井 俊文 高崎 健 大原 敏哉 金井 信雄 吾妻 司 原田 徹
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.415-421, 2011-04-01 (Released:2011-04-23)
参考文献数
19

現在,腹腔鏡下胆嚢摘出術(Laparoscopic Cholecystectomy;以下,LCと略記)は胆石症の標準術式となっているが,症例の集積に伴い胆石腹腔内落下による膿瘍形成の報告も散見される.今回,腹腔内落下胆石が原因で胃壁内に炎症性肉芽腫を形成し手術的に除去した非常にまれな1例を経験したので報告する.症例は53歳の男性で,前医にて胆石胆嚢炎に対しLCが施行されたが,術中膿性胆汁と結石が腹腔内に流出し可及的に結石の除去がなされた.6か月後のCTにて腹腔内と胃壁内に腫瘤を指摘され当院へ紹介された.開腹所見は肝S6に接する肝外膿瘍と内部に結石を認め,胃前庭部の小腫瘤を部分切除にて摘出した.結石分析はビリルビンカルシウム結石であった.高度炎症胆嚢では壁損傷もまれではなく,それに伴う腹腔内落下胆石の回収は困難な場合も少なくない.胆石腹腔内落下が必ず膿瘍に結びつくわけではないが散石時には厳重な経過観察が必要と考えられた.
著者
内田 数海 高崎 健 次田 正 山本 雅一 大坪 毅人 秋山 和宏 片桐 聡
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.1445-1448, 1997-07-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
21

電解酸性水による手洗い消毒の有効性を判定する目的で,電解酸性水,手洗い用ポビドンヨード液,滅菌蒸留水でそれぞれ手洗いを施行し,手洗い前,手洗い直後,手術終了時について経時的に手指上の細菌を比較検討した.その結果,電解酸性水には手洗い用ポビドンヨード液とほぼ同程度の消毒効果が認められ,術前手洗いに十分利用可能であると考えられた.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999
著者
静間 徹 長谷川 潔 橋本 悦子 唐澤 英偉 山内 克巳 林 直諒 高崎 健
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.125-131, 2000-02-25
参考文献数
30
被引用文献数
10 2

症例はC型慢性肝炎の62歳女性. 超音波検査にて, 肝S4に15×10mm大の低エコー腫瘤を指摘され当科入院. 造影CT検査では, 動脈優位相で辺縁が濃染し, 後期相では腫瘤の内部に造影効果が認められた. MRI検査では, T1強調画像で低信号, T2強調画像で高信号であり, 血管造影検査では腫瘍濃染像は認められなかった. 血清学的所見や画像所見からは, 肝腫瘤の診断が確定できず, 手術後に肝原発non-Hodgkin lymphoma (diffuse large B cell type) と診断された. 近年, C型慢性肝疾患に合併した肝原発悪性リンパ腫の報告例が増えているが, 径20mm以下の単発性の肝腫瘤として発見されることは稀であるため, 文献的考察を加えて報告した.
著者
高崎 健 小林 誠一郎 鈴木 茂 鈴木 博孝 武藤 晴臣 原田 瑞也 戸田 一寿 済陽 高穂 山名 泰夫 長岡 巍 朝戸 末男 林 恒男 喜多村 陽一 平山 芳文
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.759-765, 1980-07-01
被引用文献数
16

食道静脈瘤に対する直達手術としての食道離断術には, 経胸的, 経腹的の二通りの方法がある. この両術式は単に食道離断を胸部で行うか, 腹部で行うかといった差ではなく, 血行郭清の考えか方に大きな相違がある. しかしながら一般にはこの点について誤解があると思われ, 経腹的な方法では血行郭清が不十分であると思われているむきがある. われわれの経腹的食道離断術100例の成績は手術死亡6例, 再出血は6例であるが, 血行郭清に改良を加えた最近の58例には再吐血は認められておらず, 経胸的方法にくらべ何ら遜色ない術式であると考え, 食道静脈瘤の成り立ちより考えた両術式の血行郭清の相違点につき明らかにしたい.
著者
小林 誠一郎 高崎 健 浜野 恭一 山田 明義 鈴木 茂 青木 暁 武藤 晴臣 原田 瑞也 秋本 伸 岩塚 迪雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.686-690, 1977-11-30

腸管吻合器の消化管手術分野への応用について, 私どもの58例の臨床経験を述べた. 食道静脈瘤に対する食道離断術, 食道癌に対する食道胃吻合術 (胸壁前および胸腔内吻合) 噴門部癌に対する食道空腸吻合術, 直腸結腸病変に対する低位前方切除術などに関して, その利用方法, 手術手技について略述した. 器械を用いることの利点としては, 吻合の確実性, 手術時間の短縮, ひいては手術侵襲の軽減などがあげられよう. とくに下部食道噴門部癌に対する経腹的操作のみによる, 縦隔側高位での食道切離食道空腸吻合術については, 吻合器使用の良い適応であると考えている.