著者
太田 静行 古堅 あき子 日下 兵爾 森 一雄
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.122-126, 1983-06-20
被引用文献数
1

食塩の塩から味に及ぼす香辛料の辛味の影響を見る目的で,香辛料として胡椒を選び,塩から味に関する両者の相互関係を味覚検査法により調べた。 味覚検査の内容としてはi)一定濃度の食塩水溶液に胡椒を加えた液が,塩から味においてどの程度の濃度の食塩水溶液に相当するか,ii)コショウを加えた場合,食塩水溶液の濃度差識別能力に影響があるか,を調べ,妙飯についても実験を行なった。この結果,胡椒の辛味と食塩の塩から味は別の味であって,胡椒の辛味は塩から味に関して食塩の塩から味を補う効果はないか,あっても少ない。胡椒を加えると食塩の量が少くてもすむように見えるのは,胡椒の存在が塩から味に関する食塩の濃度差識別を困難にするためであることがわかった。