著者
大石 圭一 森 一雄 西浦 康雄
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1241-1250, 1974-12-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
10
被引用文献数
6 8

Larvae of Anisakis type I, Terranova type A and Contracaecum type A were gathered from liver, muscle and caecal pylorus of cod and Alaska pollack, respectively, and their mortalities were examined in a medium containing various spice essential oils and some food preservatives.The results were as follows;Pesticidal effects on Anisakis type I larvae were exhibited by the essential oils of nutmeg, cumin, clove, allspice, mace, coriander, and cinnamon. In addition, the essential oils of cumin, clove, allspice, coriander, cinnamon, thyme, dill and caraway showed a similar effect on Terranova type A larvae. Cumin aldehyde, cinnamic aldehyde, thymol, limonene, and eugenol, which are major components of some spices, exhibited strong pesticidal effects on all the three species of worms. The above results were regarded as significant by variance analysis.On the other hand, the pesticidal effects of the food preservatives on Anisakis type I larvae were observed only in the case of free acids such as sorbic acid, salicylic acid, benzoic acid and dehydroacetic acid.
著者
小原 章裕 松久 次雄 森 一雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.725-729, 2000-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
17

10種類の薬味として用いられる香辛料 (白コショウ, 黒コショウ, サンショウ, トウガラシ, ネギ, タマネギ, ショウガ, ニンニク, 黒ゴマ, 白ゴマ) の抗変異原性を調べた.抗変異原性の測定は変異原物質としてTrp-P1, 1-ニトロピレン (1-NP), 薬物代謝酵素群により活性化されたact.Trp-P1及びact.Trp-P2に対する変異原性の抑制分を Salmonella typhimuriumTA98菌株を用いるAmestestで行った.また, これら試料の各種変異原物質に対する抗変異原性の強弱から活性発現メカニズムについても検討した.薬味10種類のメタノール抽出物の内, 黒コショウ, サンショウ, トウガラシ, ネギ, タマネギ, ショウガの6種類の試料に1-NPに対する抗変異原1生が認められた.一方, Trp-P1に対しても白コショウ, トウガラシ, タマネギ, ネギ, ショウガ, ニンニクの6種類が活性を示した.さらに, それぞれの薬味のメタノール抽出物をヘキサン画分, ベンゼン画分, 酢酸エチル画分及びメタノール画分に分画し, Trp-P1, 1-NP, act.Trp-P1及びact.Trp-P2に対する抗変異原性を検討した.その結果, 多くの試料は薬物代謝系酵素にではなく変異原性を示す物質に直接に作用していた.この結果よりこれらの薬味は各種変異原物質に作用して抗変異原性を示す事が分かった.
著者
太田 静行 古堅 あき子 日下 兵爾 森 一雄
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.122-126, 1983-06-20
被引用文献数
1

食塩の塩から味に及ぼす香辛料の辛味の影響を見る目的で,香辛料として胡椒を選び,塩から味に関する両者の相互関係を味覚検査法により調べた。 味覚検査の内容としてはi)一定濃度の食塩水溶液に胡椒を加えた液が,塩から味においてどの程度の濃度の食塩水溶液に相当するか,ii)コショウを加えた場合,食塩水溶液の濃度差識別能力に影響があるか,を調べ,妙飯についても実験を行なった。この結果,胡椒の辛味と食塩の塩から味は別の味であって,胡椒の辛味は塩から味に関して食塩の塩から味を補う効果はないか,あっても少ない。胡椒を加えると食塩の量が少くてもすむように見えるのは,胡椒の存在が塩から味に関する食塩の濃度差識別を困難にするためであることがわかった。