著者
大谷 真弘 山田 仁 西尾 公裕 古川 雄三 米津 宏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.736, pp.25-32, 2002-03-12
参考文献数
11

節足動物であるカブトガニの側眼は非常にシンプルな構造にも関わらず、初期視覚機能において最も重要な動きおよびコントラスト検出機能を有している。本報告では、そのモデルに基づき、単一の基本回路によって時間的および空間的なコントラストの検出を行うアナログネットワークの構築を行った。その結果、構築したネットワークの基本回路は、Miller効果などによる寄生容量の顕在化を利用することによって、9個のMOSFETのみで構築できた。また、SPICEを用いたシミュレーションより、構築したネットワークが、そのシンプルな回路構造に動き検出機能と空間的なコントラストの検出機能の両方を含むことを確認した。
著者
安部 浩史 西尾 公裕 高崎 哲 Amal Bandula KARIYAWASAM 澤 伸也 古川 雄三 米津 宏雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 26.63 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.7-12, 2002-09-27 (Released:2017-06-23)
参考文献数
5

生体の網膜は優れた視覚情報処理機構を有しており、外網膜ではエッジ情報を内網膜では動き情報を生成する。そして、網膜の最終層である神経節細胞は、これらの信号をパルス密度変調(PDM)し、脳へと伝える。本報告では、内網膜をモデルとした動き検出回路の最終段に、アナログ電流値をパルス密度に変換するPDM回路を導入し、神経節細胞を含む網膜での情報処理機構を実現するアナログネットワークの構築を試みた。SPICEを用いたシミュレーションにより、構築したネットワークでは、神経節細胞層の出力に相当する信号を得られることが明らかとなった。