著者
越智 洋 水谷 政美 松浦 靖 古市 佳代 林 幸男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.274-279, 2016-06-15 (Released:2016-07-31)
参考文献数
22

オカラ麹と発酵原料としてのオカラや米を使用して,新しい発酵物を製造し,その成分含量とACE阻害活性について検討した.オカラ麹を使用すると,有機酸,アミノ酸が豊富でACE阻害活性の高い発酵物が得られた.アミノ酸の中では特に必須アミノ酸が大きく増加し,機能性成分のGABAも増加した.また,オカラ麹の発酵物は発酵初期から高いACE阻害活性を示し,発酵終了まで高い活性で推移した.一方,米麹発酵物は,発酵初期はACE阻害活性がなく,時間の経過に従い高くなったが,オカラ麹と比較すると低い値であった.オカラ麹発酵物は体内消化液処理後もACE阻害活性を維持していたので,経口摂取した場合でも有効であると考えられた.