著者
桐生 正幸 古河 逞箭
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.77-87, 2008-03

本研究は,日本の大学教育における「犯罪心理学」について,犯罪情報分析を行う「犯罪者プロファイリング」を題材とした講義の内容及び手法について検討を行った。まず,実際の犯罪捜査場面における分析手順をふまえながら,学生が講義にて行える「犯罪情報分析」のプログラム「大学生版CIA」について提案した。また,この「大学生版CIA」を実施するうえで基礎的な資料となると思われる,大学生の犯人像などに関する推論過程の調査を行った。その結果,「大学生版CIA」を用いた演習の効果が,犯人像の推定に影響を及ぼしたことが示唆された。このことは,「犯罪者プロファイリング」の講義が,捜査経験を持たない大学生に対しても,良い教育効果をもたらすことを十分予測させるものと思われた。