著者
ナジ エディット 安永 幸子 古瀬 敏
出版者
人間・環境学会
雑誌
人間・環境学会誌 (ISSN:1341500X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-11, 1996-06-30 (Released:2018-10-01)

人口密度の増加と地価の高騰から、地下空間をオフィスとして利用するのが適切かどうかの議論が特に日本では盛んである。しかし、地下の無窓空間オフィスに対する人々の反応はまだ十分わかっていない。ここでは、地下と地上のオフィスを比較して、仕事場に窓のあることの重要さに関する意識;照明視環境に対する意識;オフィスインテリアの一般的評価の3点について検討を行った。その結果、仕事場では窓が強く望まれており、特に地下の無窓オフィスの場合が顕著だった。地下のオフィスで働く人々は、照明条件が地上のオフィスとほとんど同じであるにもかかわらず、視環境を否定的にとらえていた。さらに、地下オフィスでは楽しみや刺激に欠け、閉鎖感が強いと評価された。物理的な環境条件は地上と地下のオフィスの間でよく似ていたことを考えると、本研究で認められた窓の必要性、照明視環境ならびに室内の評価に関する差は、地下と地上という作業環境の物理的性状の違いによるのではなく、地下にあって窓と自然光が欠けているという心理的要因に強く左右されたものと指摘できる。
著者
古瀬 敏 林 左和子 河手 太士
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.163-166, 2012

大学教員は研究・教育その他さまざまな活動を行っており、その成果として多くの知的生産物が生み出されている。しかしながら、そうしたものは大学において生み出されたにも関わらず、個人の成果としてしか検索できない状況が続いた。それらを組織としての成果物として、大学が対外的に体系的に提供しようという試みがしばらく前から行われている。それが「学術機関リポジトリ」と呼ばれるものである。ここでは、本学においてその構築の仕組みを検討した結果を報告する。なお、本検討は、平成22 年度・23 年度の2 年間にわたり学長特別研究として行った。