著者
古舘 信生
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.439-450, 1983-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
66
被引用文献数
1

Various organic compounds for conventional color photography by chromogenic development are reviewed.Compounds concerned with the dynamic processes of color development, i.e., color forming coupler, colored coupler, development inhibitor releasing (DIR) compounds and quinone-diimine scavenger, and with the static properties of color image such as hue and dye stability, are briefly described.
著者
古舘 信生 高橋 修
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.366-377, 2013

銀塩カメラがデジタルカメラに置き換わっている中で,銀塩プリントが市場で活躍していることは,銀塩プリントの基となる銀塩カラーペーパーの品質,コスト,簡便さに負うところが大きい.<br>本「解説」では,銀塩カラーペーパーを構成する主要技術である写真用カプラー技術,特に,色相と画像保存性に関する技術の変遷について,イノベーションの成果が現れた4つの時期に焦点を当てて概観する.第1期は,1970年頃の近代的カプラー群の誕生の時期であり,第2期は1984年~85年頃で,日本企業がコダックに一部の技術で先行した時期である.第3期は,マゼンタ新骨格導入を巡り日本国内企業が大競争を展開した1989年~91年頃である.そして,第4期の1999年~2004年頃は,最後に残された課題(シアン,イエローの色相,画像保存性)を抜本的に解決した時期である.<br>銀塩カラーペーパーは,第4期のプリント感材完成の技術によって,デジタルプリントやフォトブックなどのサービスを通じて今後とも市場で生き続けて行くことであろう.