著者
水上 嘉樹 古賀 和利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.598, pp.57-63, 1997-03-18
被引用文献数
2

本論文では,線素方向特徴を用いた変位抽出を行う手書き漢字認識手法を提案する.ここでは,入力パターンから線素方向特徴を抽出した後に,ユークリッド距難と抽出変位の滑らかさの項からなるエネルギー汎関数を最小化することで,得られた特徴画像に基づき変位抽出を行う.識別器では入力パターンに含まれる変位量を考慮して識別を行うために,変形に対して安定な認識性能が期待できる.提案した手法の有効性は,ETL-8Bに含まれる手書き漢字集合を用いた計算機実験により検討される.
著者
水上 嘉樹 古賀 和利 鳥岡 豊士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.63-72, 1997-01-25
被引用文献数
22

本研究では階層的変位抽出アルゴリズムを用いてパターン間の対応変位を抽出し, 得られた変位関数に基づいた認識を行う手書き文字認識システムを提案する.階層的変位抽出アルゴリズムにおいては,計算対象画像間の対応誤差を表す項と抽出された変位の滑らかさを表す制約項からなるエネルギー汎関数を定義し, これより導出されるGauss-Seidel型の漸化式の反復演算によりパターン間の変形変位を抽出する. また, 大局的変位からより局所的な変位へと段階的な変位抽出を実現するために階層的構造を用いている. 文字パターンに対する階層的変位抽出アルゴリズムの妥当性, 提案した手法の認識性能を計算機実験により明らかにした. 更に, 類似パターン間の過対応が良好な認識を妨げることを考慮して, 変位抽出能力の大きさと認識性能の関係について検討を行い, 変位抽出能力を決定するシステムパラメータの与え方について一考察を与える.