著者
シン キユン 小田 恭弘 古野 辰男 丸山 珠美 大矢 智之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.251, pp.169-174, 2010-10-20
参考文献数
8
被引用文献数
1

MIMO伝送方式は複数ストリームの並列伝送が可能な方式として,周波数利用効率が高い無線通信方式として注目されてきた.しかし,見通し伝搬路では,直接波が支配的になり,MIMO信号の分離が困難になる.そのため,見通し伝搬路におけるMIMO(見通しMIMO)は,チャネル容量が著しく低下することが知られている.本報告では,電波を反射する反射板を見通し伝搬路上に設置することによって,見通しMIMOのチャネル容量改善効果に関して検討した.完全見通し伝搬路における2×2MIMOの固有値解析などによって,反射板の効果を明らかにし,計算機シミュレーションによってチャネル容量が増加することを示す.
著者
古野 辰男 多賀 登喜雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.491, pp.9-16, 1996-01-26
被引用文献数
3

市街地低アンテナ高伝搬における遅延スプレッド特性は場所に対する依存性が強く, 高精度に遅延スプレッドの推定を行なうには, 伝搬メカニズムを明確にし, それぞれの場所に合った推定を行う必要がある. そこで, 見通し内および見通し外の地点で到来波の方向と伝搬遅延時間(伝搬経路長)を実測することにより, 伝搬経路の同定を試みた. この結果, 到来波の多くが建物壁面での幾何光学的な反射と交差点の角における回折およびその組み合わせにより説明できることが明らかになった. さらに, 幾何光学的手法及びくさび回折理論に基づいた計算結果を実測結果とを比較することにより, 幾何光学的計算手法の有用性を示した.