著者
多賀 登喜雄 石田 未央 佐々木 牧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.231, pp.7-12, 2002-07-18
被引用文献数
6

降雨の影響を強く受ける準ミリ波帯以上の無線回線の設計に必要な1分降雨強度分布につき、国内外の回線設計で使用されている標準的な評価法を示し問題点を明らかにする。また既存の22の1分降雨強度分布推定法につき、異積分時間変換によるもの,気候パラメータを用いるもの,統計理論に基づくもの等に分類すると共に、その主な方法につき、東京都区内4地点における2年間の雨滴計数型雨量計による降雨データに基づき比較,検証する。その結果、実測データを最もよく近似できる推定法は条件付M分布に基づく方法であることを示しその有効性を確認する。さらに今後全国的な降雨設計値の見直しにも対応できるよう、長期間のAMeDAS1時間積分雨量データによる条件付M分布を用いた1分降雨強度分布の推定例を示す。
著者
古野 辰男 多賀 登喜雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.491, pp.9-16, 1996-01-26
被引用文献数
3

市街地低アンテナ高伝搬における遅延スプレッド特性は場所に対する依存性が強く, 高精度に遅延スプレッドの推定を行なうには, 伝搬メカニズムを明確にし, それぞれの場所に合った推定を行う必要がある. そこで, 見通し内および見通し外の地点で到来波の方向と伝搬遅延時間(伝搬経路長)を実測することにより, 伝搬経路の同定を試みた. この結果, 到来波の多くが建物壁面での幾何光学的な反射と交差点の角における回折およびその組み合わせにより説明できることが明らかになった. さらに, 幾何光学的手法及びくさび回折理論に基づいた計算結果を実測結果とを比較することにより, 幾何光学的計算手法の有用性を示した.