著者
吉原 賢二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.4-7, 2018-01-20 (Released:2019-01-01)
参考文献数
8

ニッポニウムは小川正孝が1908年に発見を報告した元素名である。一時世界的に評価されたが追試が成功せず,周期表から消え去り,幻の元素のように思われていた。しかし,その後1990年代から東北大学の後輩教授である吉原による現代化学的再検討によって,ニッポニウムの実体は75番元素レニウムと判明した。小川の生涯にわたる研究への熱き情熱,その最期の悲劇,吉原に注がれたセレンディピティー(幸運な偶然)などまことにドラマティックというほかない。化学史上も化学教育上も興味深いものである。
著者
海老原 寛 吉原 賢二
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.48-53, 1961-01-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
14
被引用文献数
1

8-hydroxyquinoline (以下オキシンと略す)のモリブデン,インジウムおよびタングステン塩のSzilard-Chalmers効果について調べた.無水のオキシン塩をJRR-1(中性子束密度~1011n/cm2・sec)中で中性子で照射をし,これをクロロホルムに溶解してから種々のpHの緩衝溶液とふりまぜ,Szilard-Chalmers効果によって錯塩の結合からはずれた金属イオンを水層中に抽出した.放射能の測定によって水層への抽出率を定め,水層中のその金属イオンの総量を定量して濃縮係数を出した.99Mo についてはpH2.0~5.6 の間で抽出率は0.5~2%,濃縮係数は10~130程度であった.116mIn では 1N 水酸化ナトリウムでほとんど 100% 抽出され,濃縮係数は約 106 であった.185Wの場合は抽出率34%(pH 7),濃縮係数430を得た.なお99Moのβ崩壊によって生成する99mTcを分離する方法についても述べてある.
著者
吉原 賢二
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.239-243, 1983-04-30 (Released:2009-04-21)
参考文献数
11