著者
西野 琢也 山出 宏一 吉岡 正和 我嶋 晋太郎 川久保 淳司 髙橋 精一郎 森田 正治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.183-188, 2016 (Released:2016-04-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

〔目的〕スタティックストレッチング(SS)と圧迫刺激による腓腹筋形状および足関節背屈可動域への影響を検討した.〔対象〕健常成人60名とした.〔方法〕刺激はSS群,圧迫群,併用群の三群とした.超音波診断装置とデジタルカメラ,筋弾性計を用いて計測された足関節背屈可動域,筋束長,筋腱移行部(Muscle Tendon Junction;以下,MTJ)の移動量,スティフネス,筋弾性を計測し三群間で比較した.〔結果〕足関節背屈可動域,筋束長,筋弾性は三群の平均に有意な差はないが,MTJの移動量はSS群より併用群で高い値を,スティフネスは併用群のみ刺激後に低い値を示した.〔結語〕SSと圧迫刺激の併用は,神経生理学的,力学的な要素の相乗効果により効率的に筋伸張性や柔軟性の向上を計ることができる.
著者
吉岡 正和 山本 正之 藤井 秀樹 松本 由朗 菅原 克彦
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.1034-1039, 1985
被引用文献数
4 6

肝細胞癌(HCC)リンパ節転移の特徴を知る目的で,胆管細胞癌(CCC)を対象として1972~1981年の10年間における日本病理剖検輯報を集計し,統計学的検討を加えた.HCC 12,459例,CCC 2,048例の内,リンパ節転移はHCC 33.3%, CCC 67.6%で有意(p<0.01)にCCCで高率であった.血行性転移と播種はHC C59.4%, CCC 78.6%で有意(p<0.01)にCCCで高率であった.HCCにおいては,肝硬変併存9,679例(77.7%)と非併存例を比較すると,リンパ節転移率(24.6%, 43.4%),血行性転移と播種率(59.4%, 78.6%)は,共に肝硬変非併存例に高かった(p<0.01, p<0.01).リンパ節転移の広がり方としては,共に,領域リンパ節転移がなくて領域を越えたリンパ節に転移のある例がHCC 42%, CCC 34%にあり,肝臓の頭,尾方への拡大では,HCCはCCCに比べ頭方へ広がる率が高いが,領域リンパ節にのみ転移が止る場合,HCC, CCC共に大部分の症例で尾方への拡大であった.