著者
吉本 秀之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.498-501, 2009-11-20 (Released:2017-06-30)
参考文献数
6

化学の前身が錬金術であることはよく知られている。錬金術に由来するランビキ,レトルト,炉等の化学操作に不可欠の装置の流れを2世紀のギリシャからラボアジェまで展望したい。その際とくに図像表示のあるものを重点的に取り上げ,視覚的に錬金術=化学の実験室の様子を紹介しよう。
著者
吉本 秀之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.372-375, 2017-08-20 (Released:2018-02-01)
参考文献数
4

アリストテレスの四元素説(火は,水,土,空気とならび四元素の1つであった),パラケルスス派の三原質(エン,スイギン,イオウの3つのうち,イオウは可燃性を担う原質と位置づけられていた)という17世紀までの元素説・原質説の基本をまず紹介しよう。そして,こうした背景に対し,ベッヒャーとシュタールのフロギストン説は,一体何であったのかを解説しよう。
著者
吉本 秀之
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究 (ISSN:21887535)
巻号頁・発行日
vol.50, no.257, pp.37-42, 2011 (Released:2021-07-22)

Robert Boyle (1627-91) is widely known as a leading Baconian in seventeenth-century English natural philosophy. But when and how did he familiarize himself with Francis Bacon's writings ? Which aspect of these works interested him in particular ? This paper addresses these questions by examining his citations of Bacon in chronological order. Around 1660, ten years into his scientific career, Boyle converted to Baconianism by adopting its characteristic method in natural history. Integrating various insights found in the Instauratio Magna (1620) into his own project, Boyle carefully modified Bacon's original teachings from the viewpoint of a professional experimental scientist.
著者
吉本 秀之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, pp.372-375, 2017

<p>アリストテレスの四元素説(火は,水,土,空気とならび四元素の1つであった),パラケルスス派の三原質(エン,スイギン,イオウの3つのうち,イオウは可燃性を担う原質と位置づけられていた)という17世紀までの元素説・原質説の基本をまず紹介しよう。そして,こうした背景に対し,ベッヒャーとシュタールのフロギストン説は,一体何であったのかを解説しよう。</p>
著者
吉本 秀之
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究 (キリスト教と文化) = Humanities: Christianity and Culture (ISSN:00733938)
巻号頁・発行日
no.43, pp.27-49, 2012-03-31

ボイルが現実に手元において使った書物を明らかにするため、第1に私自身が『ボイル著作集』『ボイル書簡集』の全体にわたる引用分析を行い、第2 にブルガリア人科学史家アヴラモフ並びにロンドン大学歴史学教授マイケル・ハンターとの共同研究により王立協会ボイル草稿の全体をも分析対象として解析を行った。こうした分析結果と初期近代における読書習慣の研究成果に基づき、ボイルの化学的原子論は、ゼンネルトの『自然学覚え書き』(Hypomnemata Physica, 1636)における質的原子論から出発し、ガッサンディの厳密な原子論へと展開したことを論じた。さらに、「ミニマ・ナチュラリア」の伝統にたつゼンネルトの質的原子論においても、「分子」を導入したガッサンディの原子論においても、化学的現象の説明のための化学的粒子の想定が基本にあることを指摘した。