著者
吉村 信吉
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2-3, pp.55-62, 1943-09-30 (Released:2009-06-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

1. 上富には地下水面の深さから云つて三種の地下水がある。最も淺いものは年中宙水をなし,中位のものは低水時には一時的に宙水となるが,高水時には下位の一般自由地下水と一緒にになる。下位の地下水面は柳瀬川,入る間川の水と平衡を保ち,低水時には河水面に等しい所まで低下する。2. 深井戸の多くは中位の深さの井戸の底を昭和8,9年の渇水に際し掘り拔いたものである。その結果將來中位の深さの井戸水は釜.減少するであらう。3. 上富の發生當時には現在のやうに深く且平時湛水の厚い井戸は存在せず,中位の高水時以外は湛水の少い井戸に依存したのであつた。當時としては中位の井戸を掘ることも容易でなく.元祿時代まで聚落を發生せしめなかつた原因をなしたのであつた。それ以後には地下水状態は必しも居住を決定してゐない。深井戸は最近の渇水時に掘つたものである。昭18.V,17