著者
吉田 晃章 Esparza Rodrigo Retiz Mario Rodriguez Francisco
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

中米と南米の文明間の交流について研究するにあたり、まず両文明に共通する文化要素として、紀元前300年から後600年に現れる特殊な形状の墓に関する調査をメキシコ西部地域で実施した。研究の結果、ブーツ型の墓の一部が遺構と関連していることに注目し、同地域で埋葬文化の伝統が地域間交流により、時代を追って西部地域から少なくとも東へ拡大することを確認し、拡大プロセスのモデル化に成功した。また、メキシコ西部ロス・アルトス地方の考古調査のパイオニアとしてロス・アガベス遺跡を発掘し、同地域で先例のない大型祭壇とピラミッドを発見した。調査資料は、地域間の交流が文明形成と発展の主な要因の一つであることを示している。
著者
横山 玲子 松本 亮三 吉田 晃章
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本調査研究は、カンペチェ州南部地域を中心に、古代マヤ文明の発展と衰退のメカニズムを、文明と環境の相互作用から考察するための最初の調査である。古典期マヤ社会は、優越センターが複数の従属センターを支配する統合形態をもつとされるが、調査遺跡として特定したラモナル遺跡周辺の遺跡分布調査からは、古典期終末期に優越センターの支配とは異なった独立した諸集団の活動があったことが予見された。その要因として、当該地域の自然環境と、当時起こったと思われる気候変動(大干ばつ)が考えられるため、今後、さらなる調査を実施する必要がある。